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4,000万円~4,999万円の予算があれば、好きなハウスメーカーでマイホームを建てることができます。
これだけの予算があれば、二世帯住宅や3階建て住宅はもちろん、かなりの広さの家を建てることができます。
ただし積水ハウスや三井ホームなどの高級プレミアム住宅に位置付けられている邸宅シリーズだと、坪単価100万円を超えてくるので、家の大きさを気にしながら計画しなければなりません。
今回は4,000万円台の家について、間取りや予算の内訳を解説するので、ぜひ参考にしてください。
予算4000万円台で家を建てる際の費用と内訳
注文住宅の価格は大きく以下の3項目で構成されています。
費用の種類 | 主な内容 |
---|---|
建物本体工事費 | 柱や梁などの大工工事、屋根や基礎の躯体工事、オプション費用など |
付帯工事費 | 上下水道や電気・ガスの引き込み工事、駐車場のアスファルト舗装など |
その他諸費用 | 住宅ローン関連の諸費用、火災・地震保険、登記費用など |
円グラフにあるように全体の7割を本体工事費、2割が付帯工事、1割がその他諸費用という割合で考えておくと良いでしょう。
各項目の具体的な内容については、以前に書いた「注文住宅2000万円台の家」記事を参考にしてください。
原則として、家が大きくなれば必然的に土地も広くなるので、塀やフェンスの施工面積も増え、地盤改良の面積も広くなるので、付帯工事費用も比例して増えていきます。
建築費の総額は?
坪単価70万円のハウスメーカーで45坪の家を建てると仮定した場合、工事費の総額はどれくらいになるのでしょうか。
目安額を計算してみましょう。
建物本体工事費 45坪×70万円(坪単価)=3,150万円
付帯工事費用 630万円
その他諸費用 315万円
合計 4,095万円
上記がおおまかな建築費用の内訳となります。
さらに本体工事費には消費税も別途かかるので、総額は4,500万円ほどになります。
平屋の建築費は?
最近は若い世代でも好んで平屋を建てる人が増えています。
ここで注意しておきたいのが、同じ45坪の家でもニ階建てと平屋では建築費が違ってくる点です。
ニ階建ての方が高いと思っている人も多いかもしれませんが、同じ坪数の建物であれば、平屋住宅の方が建築費は10%ほど割高になります。
建物本体工事費 45坪×77万円(坪単価)=3,465万円
付帯工事費用 693万円
その他諸費用 346万円
合計 4,504万円
この例だと消費税まで考えると予算4,000万円台でギリギリになってしまいます。
平屋の方が高い理由は、基礎や屋根の面積が二階建て住宅よりも広くなるなどの理由が挙げられます。
下記の画像を見ればわかりますが、平屋の方が基礎の面積が広いため、より多くの費用がかかるということです。
つまり同じ予算で平屋を建てる場合、坪数としては「平屋の方が少なくなる」ということです。
建物だけでなく、土地も広さが必要になるので注意しましょう。
4000万円台の家の間取り例(平屋・2階建て)
4,000万円~4,999万円の予算があれば、建物の大きさは40坪~50坪くらいを希望する人が多いのではないでしょうか。
ローコスト住宅であれば60坪を超えるような大きな家も建てることも可能なので、二世帯住宅や三階建て住宅も問題なく建てることができます。
ここでは坪数別の間取り例をいくつか紹介し、注意点などを解説します。
間取り例に関しては、各ハウスメーカーのカタログにたくさんの事例が掲載されているので、ぜひ確認してみましょう。
できる限りたくさんのカタログを見比べて、作りたい家のイメージを固めることが失敗しない家づくりの第一歩です。
工務店を選ぶのか、ハウスメーカーを選ぶのかでも間取りは変わってくるので、最初はあまり細かい条件をつけずに、幅広い会社のカタログを取り寄せてみることをおすすめします。
カタログ自体は「LIFULL HOME’S」などのポータルサイトを使えば無料で取り寄せられるので、自分の予算に合わせたカタログを取り寄せてみましょう。
もし「自分ではまったく間取りのイメージがわからない」という場合は、NTTデータグループが運営する「HOME4U家づくりのとびら」もおすすめです。
専門アドバイザーにオンラインで無料相談ができますし、自分の希望にあった家づくりプランを提案してもらう事もできます。
※参考:予算ごとのカタログ特集ページ
・2000~2500万円の住宅
・2500~3000万円の住宅
・3000~3500万円の住宅
・3500~4000万円の住宅
・4000万円以上の住宅
・オンライン相談をしたい場合
・家づくりプランを依頼したい場合
40坪~45坪の二階建て
ハウスメーカー | 旭化成ホームズ(ヘーベルハウス) |
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延床面積 | 137.75㎡(41.6坪) |
1階床面積 | 不明 |
2階床面積 | 不明 |
旭化成ホームズのヘーベルハウスは、ハウスメーカーの中でもトップクラスの坪単価になります。
1坪あたりの平均単価は90万円ですので、紹介している41坪の家でも建物本体価格だけでも3,700万円ほどです。
そこに付帯工事や諸経費が入ると、総工費は4,500万円を超えてくると予想できます。
こちらの間取りポイントとしては1階にある26.9畳の大きなLDKです。
ヘーベルハウスは軽量鉄骨と重量鉄骨が基本構造なので、約27畳ある広いLDKでも木造住宅のような構造柱がありません。
そのため、とても開放的な空間づくりが実現できます。
浴室と洗面室は二階に設置されていますが、これも一階のLDKを少しでも広くするための工夫でしょう。
ヘーベルハウスの家は屋上がある陸屋根の建物が多いのですが、こちらの建物もやはり屋上があるタイプになっています。
屋上でプール遊びやBBQを楽しむことができますし、ガーデニングや家庭菜園としても利用できそうです。
40坪~45坪の平屋
ハウスメーカー | セキスイハイム |
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延床面積 | 138.52m²(41.9坪) |
42坪ある4LDKの大きな平屋住宅です。一般的な4LDKの分譲マンションが90㎡ほどなので、それよりも50㎡ほど広くなっています。
50㎡といえば約15坪なので、部屋の広さにすると30畳分も違います。
セキスイハイムといえば鉄骨のユニット工法が基本仕様なのですが、こちらのグランツーユーシリーズは木質系の住宅商品です。
この間取りで気になったポイントはトイレの位置です。
「トイレどこにしようか?余っているからココで良いんじゃない」みたいな中途半端な位置にトイレがあるようにも感じられます。
間取り図ではわからなかったのですが、どうやらこの家は玄関から和室を囲むように通路全部が土間のようになっているらしく、それであればこの場所にトイレがあるのも納得かもしれません。
リビングや寝室からも離れているので、音などを気にせずゆっくりトイレに入れる間取りともいえるでしょう。
玄関から土間を通って洗面脱衣所→LDKに移動できるので、帰宅後はスムーズに手洗いや着替えができて便利だと感じます。
45坪~50坪の二階建て
ハウスメーカー | パナソニックホームズ |
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延床面積 | 158.52㎡(47.94坪) |
1階床面積 | 77.97㎡(23.58坪) |
2階床面積 | 80.55㎡(24.36坪) |
1階にLDKで2階に主寝室と3つの子ども部屋がある4LDKの間取りになっており、子育て世代にはオーソドックスな間取りだと思います。
間取りをみて気になったポイントが2つ。
敷地が57坪ほどしかなく、48坪の建物に対して十分な敷地面積とは言えません。
そこで考えられたのが二階の面積を1階よりも広くするオーバーハングだと思います。
そしてもう1点が中央にある大きな吹き抜けです。
この吹き抜けがあることで、一階と二階がより近くに感じることができ、家族の繋がりも大事にしていることがわかります。
1つアイデアを出すのであれば、二階南側にある子ども部屋の収納は2つに仕切らずに1つのクローゼットにして、どちらの部屋からも出入りできるようにしておくのも良かったのかなと感じます。
そうすることで子供が一人家を出た後でも、もう一人が部屋を広く使うことができるのではないでしょうか。
45坪~50坪の平屋
ハウスメーカー | イデアホーム |
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延床面積 | 156.92m2(47.4坪) |
47坪の平屋ですが、間取り図からもわかるように分離型の二世帯住宅になっています。
親世帯が1LDK+タタミスペース+趣味部屋となっており、子世帯が3LDKです。
親世帯はLDKの広さも子世帯より少し小さく、洗濯物が多いであろう子世帯のランドリースペースが少し大きくなっているなど、かなり良く考えられている間取りだと思います。
特に気になる箇所も見当たらない良い間取りだと思いますが、あえて挙げるなら窓の大きさと数でしょうか。
最近の家は高気密高断熱化するため、極力窓を小さくしたり、窓そのものの数を減らすように作られることが多いのですが、こちらの物件は画像でもわかるように大きめの窓が少し多いように感じ、断熱に関して少し心配になりました。
イデアホームの坪単価は60万円ほどですが、平屋なので65万円と考えた場合、65万円×47.4坪で3,081万円。
そこに付帯工事と諸経費を足すとちょうど4,000万円になり、消費税込みで4,300~4,400万円くらいになります。
50坪以上の平屋
ハウスメーカー | ダイワハウス |
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延床面積 | 165.34m2(50.0坪) |
勾配天井と一段さげたロースタイルリビングにすることで天井高は最高4m60cmとなっており、より解放感のあるLDKになっています。
ロースタイルリビングにすることで空間を広く魅せるだけでなく、その段差を利用してちょっとした収納スペースを設置することもできます。
住宅会社によって「ロースタイルリビング」や「ダウンフロアーリビング」など名称はさまざまですが、実は費用も各社差があります。
平均すると1畳あたり3万円~5万円くらいだと思いますので、リビング10畳ロースタイルリビングにすることで追加のオプション費用は約40万円ほど見ておく必要があります。
これだけの費用があれば窓ガラスをワンランク断熱性能がよいタイプに変更することもできますし、気密性の高い玄関ドアに変更することだって可能です。
その他に間取りで目を引いた点は、主寝室と子ども部屋が3つあること。
主寝室と洋室を仕切れるようになっていたり、洋室を2つに分けることができるようになっていたり、将来家族が家を出た後のことまで考えた間取りになっていると思います。
二世帯住宅
ハウスメーカー | セキスイハイム |
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延床面積 | 179.16㎡(54.19坪) |
1階床面積 | 106.52㎡(32.22坪) |
2階床面積 | 72.64㎡(21.97坪) |
玄関は1つですが1階と2階にLDKがある半共有型の二世帯住宅です。
1階に親世帯、2階が子世帯の空間になっていますが、食事などは基本1階のLDKを家族全員利用する感じになっています。
そのため1階のシステムキッチンが2階に比べると大きいものを設置してあるようです。
玄関が1つの同居型二世帯住宅で多く見られる失敗例が玄関の収納ですが、こちらのお宅は玄関収納も多く取られており十分な広さを確保できていると思います。
二階の子供部屋ですが、すべてLDKを通ってから入れないようにしてあり、家族の繋がりを大事に考えてある間取りだということがわかります。
こちらの間取りで気になる点としては、やはり窓の多さでしょうか。
窓が多いとそれだけ外の空気が室内に入ってきますし、室内の熱も外に逃げてしまうので高気密高断熱には不向きです。
あとは2階にも洗面室とまではいいませんが、洗面台があれば良かったのではないでしょうか。
三階建て住宅
ハウスメーカー | タマホーム |
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延床面積 | 234.75㎡ (71.01坪) |
1階床面積 | 94.81㎡ (28.68坪) |
2階床面積 | 84.46㎡ (25.54坪) |
3階床面積 | 55.48㎡ (16.78坪) |
今回はローコスト住宅の3階建てを紹介します。
こちらの建物は1階~3階までの延床面積で約71坪もある大きなお家です。
実際に予算4,000万円台で収まるのでしょうか?
建物本体工事費 | 71坪×45万円(坪単価)=3,195万円 |
---|---|
付帯工事費 | 640万円 |
その他諸費用 | 320万円 |
合計 | 4,155万円 |
消費税まで考えても4,600万円には収まりそうな計算です。
もちろん大手ハウスメーカーで同じ大きさの3階建て住宅を建てようと思ったら、楽に予算4,000万円台は超えてしまうことでしょう。
さて今回の間取りポイントですが、二世帯の3階建て住宅になっています。1階が親世帯とビルトインガレージ、2階と3階が子世帯の生活空間です。
1階にビルトインガレージがあるせいで、親世帯の生活空間が少し使いづらそうな印象です。
例えばキッチンはあるけど食事をするダイニングスペースがありません。きっと和室で食事をされるのでしょうが、それだとキッチンから離れており準備するのが大変そうです。
そして2階も気になるポイントがあります。
2階のこの間取りであれば洗面室と浴室が左右反対の方が使いやすいように感じます。
洗面室と浴室が逆の位置にあれば、洗面室から家事室へと直通で行くことができるので動線も短くて済みます。
あとは3階のファミリースペースです。2階にリビングがあるのですから、3階のファミリースペースは無くても困らないのではないでしょうか。
もし3階のファミリースペースを削ることができれば単純計算で5坪家を小さくすることができ、200万円ほど建築費を節約することができそうです。
建築費用を抑えるためのポイントは?
このブロックでは建築費を抑えるためのポイントについて解説していきたいと思います。
土地は形の良い整形地を選ぶ
二世帯住宅などの大きな家の場合は土地探しも大変ですが、なるべく地型の良い整形地を選ぶことで建物をシンプルにでき、結果として建築費を節約することができます。
50坪の二世帯住宅を建てようと思えば80~100坪くらいの土地が理想ですが、立地が良い場所でそこまで広い土地はそう簡単にはみつかりません
そこで多くの人は少々形が悪い不整形地でも、広めの土地があれば購入してしまいがちです。
土地の形が悪ければ、その土地に合わせて建物の形も複雑になります。
建物はなるべく凹凸をなくし、1階と2階が同じ広さの総二階建てにするのが費用を抑えるポイントです。
二世帯住宅を建てる際の節約術
予算4,000万円くらいになると二世帯住宅を考えている人も多いのではないでしょうか。
二世帯住宅には3つのタイプがあり、どのタイプを選ぶかによって大きく建築費が違ってきます。
完全分離型
玄関も別々で、お風呂やキッチンも2つあります。外からみると1つの家のように見えますが、実際には1つの屋根の下に2つの家があるのと同じです。
一部共有型
LDKなどは1階と2階にそれぞれありますが、お風呂などは親世帯と子世帯で共有しているタイプの二世帯住宅のことです。
同居型
親世帯と子世帯で暮らす二世帯住宅なのですが、キッチンやお風呂などもすべて共有しているタイプです。わかりやすく言ってしまえば二世帯住宅というよりも親と同居している家ということです。
分離型→共有型に妥協することで、建築費は100万円単位で変わってくることもあります。
自分たちが計画している二世帯住宅で、どこか妥協できるポイントがないか今一度見直してみましょう。
細かな節約を積み重ねる
小さな節約ポイントを積み重ねることが、結果的に大きな節約につながっていきます。
例えば、
- 室内の壁やドアはなるべく少なくする
- リビング階段を採用する
- ダウンライトよりシーリングライトを設置する
- 水まわりは各階同じ位置にする
- 広すぎるベランダはつくらない
このような工夫が考えられます。
建物内のドアを1つ減らすことで、約3万円~5万円も建築費を削減することができると言われています。
このように小さな節約ポイントでも、数を増やせば大きな節約につながりますので、どんな節約ポイントがあるのか知っておくと良いでしょう。
4000万円台で注文住宅が可能なハウスメーカー
4,000万円台の予算があれば、大手を含めてほとんどのハウスメーカーでマイホームを建てることができます。
どのハウスメーカーに頼むかで家の大きさの限界は変わりますが、かなり幅広い選択肢から選べますので、じっくりと吟味してからどこに依頼するかを決めましょう。
基本的には、広さ優先なら坪単価が安いハウスメーカーを、建物のグレードが優先なら坪単価が高い大手ハウスメーカーが候補となります。
とはいえ、実際には個々のハウスメーカーごとに色々特徴やオプションプランがあるため、先入観で決めずに、しっかりとカタログを比較してから決めることをおすすめします。
今回紹介するハウスメーカー以外にも候補はたくさんあるので、LIFULL HOME’Sなどのポータルサイトをうまく使って、気になるメーカーのカタログを比較してみましょう。
※参考:予算ごとのカタログ特集ページ
・2000~2500万円の住宅
・2500~3000万円の住宅
・3000~3500万円の住宅
・3500~4000万円の住宅
・4000万円以上の住宅
・オンライン相談をしたい場合
・家づくりプランを依頼したい場合
旭化成ヘーベルハウス
ヘーベルハウスの愛称で知られる、大手ハウスメーカーの旭化成ホームズ。
重量鉄骨と軽量鉄骨の住宅商品がありますが、重量鉄骨住宅を希望するユーザーが多いのが特徴です。
軽量鉄骨であれば積水ハウスやダイワハウスでも建てることができますが、重量鉄骨となれば建築経験が豊富なヘーベルハウスを選ぶ人が多いのでしょう。
ただし重量鉄骨で建てた場合、坪単価が100万円を超えたという報告も多いので、予算4,000万円台では家の大きさやプランが限られてしまうかもしれません。
一方軽量鉄骨は、40~45坪くらいなら予算内で家が建てられる可能性が高いでしょう。
旭化成ヘーベルハウスの強み
ヘーベルハウスの強みは、すべての住宅に「ALCパネル」を採用していることです。
ALCは頑丈なコンクリートでありながらも水に浮くほど軽く、強度と耐震性に優れているのが特徴。また国土交通省の告示に不燃材料として規定されるコンクリートに含まれており、耐火性の高い素材でもあります。
経年劣化も極めて少なく、適切なメンテナンスを行うことで優れた耐久性を発揮します。
このような高性能のALCパネルを外壁・間仕切り壁・床・屋根などに使用するため、ヘーベルハウスは長く、安心安全に住み続けられるのです。
保証も充実していて、躯体や防水部分の初期保証は30年。有償での延長で最大60年まで延長できます。
旭化成ヘーベルハウスの弱み
一方ヘーベルハウスの弱みは、坪単価が他のハウスメーカーと比べると高い点が挙げられます。
耐震性・耐火性・耐久性に優れているものの、坪単価が高いことで予算内では希望の大きさの家が建てられない可能性も少なくありません。
また、外壁が先ほど紹介したALCしか選べない点もデメリットといえるでしょう。
ヘーベルハウスの構造やプランが気に入ったとして、「予算を抑えるためにサイディングなどの安めな外壁を選ぼう!」と思っても、ALC以外は採用できないのです。
必然的に同じ外壁になる=外観の雰囲気がほかのヘーベルハウスの家と被ってしまうということも頭に入れておかなければなりません。
セキスイハイム
「あったかハイム」のテレビCMで知られているのが、セキスイハイムです。
セキスイハイムが得意としているのは、断熱性能や省エネ性能を高めて消費エネルギーを減らし、大容量の太陽光発電で創エネする「自給自足型住宅」です。
構造は鉄骨ですが、積水ハウスやダイワハウスとは異なり、工場で生産した箱型のユニットを現場で組み立てる「ユニット工法」を採用しています。
ユニット工法の特徴は、工場で精密な機械や専任者が大半の作業を行うため、安定した品質と強さが保てること。また現場で一から建てる住宅と異なり、工期が非常に短いです。
セキスイハイムの坪単価は、平均70万円ほど。
予算4,000万円台であれば45坪~50坪くらいまでは可能なので、二世帯住宅や三階建ても建てられます。
セキスイハイムの強み
家づくりの大半を屋根のある工場で行うため、雨風の影響による部材や設備の損傷を防げるのがセキスイハイムの強みです。
完成したユニットは運搬中も雨風から守るために、すべてのユニットを厳重に梱包。
作業当日は専用トラックで運搬し、現場での作業をわずか1日で終わらせるケースも多いです。
建築中の大切なマイホームが長い時間雨風にさらされる心配が少なく、工期も短いのがセキスイハイムの大きな魅力といえるでしょう。
また独自の耐震システム「GAIAS」を採用していて、標準仕様で耐震等級3(最高等級)をクリア。
地震に強い家を建てていることも、セキスイハイムの大きな強みです。
セキスイハイムの弱み
ユニット工法がセキスイハイムの強みである一方、ユニット工法だからこその弱みもあります。
工場で生産されたユニットを組み立てる構造なので、プランや間取りの自由度が低いのです。
将来的にリフォームする際も同じで、木造住宅のように壁を取り壊して部屋を広くするなど柔軟な変更は難しく、さまざまな制約が出ることが想定されます。
また、同じ鉄骨系のヘーベルハウスほど高くはないものの、グレードの高い商品を選ぶと坪単価80万円を軽く超えてしまう場合もあります。
間取りの自由度が低いからこそ、ほかの部分で少しでも理想を叶えようとオプションを追加してしまうと、坪単価100万円を超える可能性も少なくありません。
特殊な工法のセキスイハイムを選ぶ場合には、希望する間取りで家が建てられるか、なおかつ予算内で収まるかなどをしっかり検討することをおすすめします。
パナソニックホームズ
パナソニックという名称からもわかるように、パナソニックグループのハウスメーカーです。
積水ハウスやダイワハウスと同じく、鉄骨住宅が主力商品となっています。
また、家電や設備などもパナソニック製品が標準仕様なので、住宅だけでなく家電・設備品への信頼感からパナソニックホームズを選ぶ人も少なくありません。
IoTにも強いのでスマートハウスとしての需要もあり、災害に強い家を希望する人にはおすすめしたいハウスメーカーです。
パナソニックホームズの坪単価は、平均70万円ほど。
予算4,000万円台であれば、二世帯住宅や三階建て住宅も十分検討の余地があります。
パナソニックホームズの強み
パナソニックホームズの強みは、大手電機メーカーグループならではの優れた全館空調システムがあること。
独自開発した全館空調「エアロハス」は、真夏でも真冬でも快適に暮らせるだけでなく、高い省エネ性があり、省エネ大賞も受賞しています。
吹き抜けや広いLDKだと空間内で温度差が生じることもありますが、「エアロハス」ならエアコンに比べて温度差を減らせるので、扉や間仕切りをなくすなど間取りの自由度が高まるでしょう。
またパナソニックホームズの保証は、業界トップクラスの「初期保証35年(構造躯体)」です。(防水部分は30年)
初期30年の大手ハウスメーカーも多いので、安心感を重視する人にとっては大きなポイントとなるのではないでしょうか。
万が一の地震による建て替えや補修をサポートする、「地震あんしん保証」もあります。
パナソニックホームズの弱み
一方パナソニックホームズの弱みは、住宅設備をパナソニック製品から選ばなければならないこと。
「基本的にはパナソニック製品でいいけど、お風呂だけはTOTOにしたい!」といった場合は、オプション扱いになるので割高になってしまいます。
またパナソニックホームズは、首都圏限定の「artim(アーティム)」しか木造の商品がありません。
木のぬくもりを感じられる家を建てたいと考えている人は、ほかのハウスメーカーを検討するのがよいでしょう。
ちなみにアーティムは、設計・デザイン・素材・品質などすべてをこだわり抜いた提案が売りの商品で、坪単価130万円以上。
一般的な木造住宅と比べるとかなり高額なので、予算4,000万円であれば30坪ほどでも予算オーバーしてしまうかもしれません。
スウェーデンハウス
知る人ぞ知る国内トップレベルの高気密・高断熱住宅を得意としているのが、スウェーデンハウスです。
北海道で発足した輸入住宅会社なのですが、建物の断熱性能があまりにも優れており、今では日本全国に代理店や販売店を広げています。
オリコン社が毎年開催している顧客満足度調査においても、2015年の調査開始から2022年現在まで、8年連続で注文住宅部門総合1位を獲得し続けています。
スウェーデンハウスの坪単価は、平均75万円。
予算4,000万円台だと50坪くらいの建物であれば、予算内に収まるのではないでしょうか。
スウェーデンハウスの強み
スウェーデンハウスの強みは、すべての窓が高性能な「木製サッシ3層ガラス窓」になっていること。
大手ハウスメーカーでも、木製サッシのトリプルガラスを標準仕様にしている会社はありません。
一般的な2層ガラスの厚みは3mmですが、スウェーデンハウスの3層ガラスは4mmを採用。
真冬でも窓辺が寒くないうえに、防音性にも優れているのが特徴です。
また木は調湿性に優れているので、高気密な家で発生しやすいカビ・ダニの原因となる結露を抑えます。
木製の窓サッシはデザイン性にも優れているので、インテリアの一部として楽しめるだけでなく、外の景色をフレームで飾られた絵画のように演出してくれるでしょう。
スウェーデンハウスの弱み
一方スウェーデンハウスの弱みは、初期保証が短いことが挙げられます。
坪単価が同じくらいのパナソニックホームズが初期保証35年なのに対して、スウェーデンハウスは「初期保証10年」。
ローコスト住宅でおなじみの、タマホームやクレバリーホームと同じ保証期間です。
オプションで10年延長可能(最大20年)ではあるものの、有償のメンテナンス工事を受けるのが条件となっています。
定期検診を50年間無料で受けられる安心感はありますが、保証を重視する人にとっては不安要素になるかもしれません。
とはいえ、スウェーデンハウスは高性能な住宅を建てるハウスメーカーであることは間違いありませんし、顧客満足度も8年連続1位という実績もあります。
保証はハウスメーカー選びのポイントとなりますが、そもそも安心して暮らせる構造・品質なのかを見極めることが大切です。
三井ホーム
大手ハウスメーカーのなかで坪単価が一番高額と言われているのが、三井ホームです。
個人病院の新築やリフォームを得意としていることもあり、お医者さんの施主が多いという印象があります。
2020年度の調査では、三井ホームの平均建築費は3,957万円で大手ハウスメーカーの中でも堂々の1位です。
ちなみに、平均延床面積は40.4坪(133.5㎡)となっています。
この調査結果から試算すると、三井ホームの平均坪単価は3,957万円÷40.4坪=約98万円です。
もちろん建物のみの価格だと思うので、そこに諸経費などを含めると予算4,000万円台では40坪ほどの建物が限界ではないでしょうか。
三井ホームの強み
三井ホームはフルオーダーメイドの木造住宅をつくっており、デザイン性や間取りの自由度が高いのが大きな強みです。
外観のバリエーションはもちろん、豊富な実績から得たノウハウを活かして、多彩なプランで家づくりを行っています。
独自の「プレミアム・モノコック構法」によって耐震性・耐久性にも優れており、震度7を想定した耐震実験に60回以上も耐え、構造の強さを実証しました。
また、寒さや暑さを遮る高性能な断熱材「ロックウール」を採用しているので、断熱性にも優れた住まいで長く安心して暮らせるでしょう。
三井ホームの弱み
デザイン性・性能とも申し分ない三井ホームですが、高性能な分建築価格が高いのが弱みといえます。
大手ハウスメーカーのなかで坪単価が一番高額といわれているので、予算4,000万円で抑えようとすると希望の広さが叶わないかもしれません。
また、保証内容についても物足りなさを感じます。
多くの大手ハウスメーカーが初期保証30年としている中、三井ホームの初期保証は「10年」。
引き渡し後、2年・10年・20年・30年点検は無料ですが、必要な有償メンテナンス工事を行うことで最長60年保証が続くシステムです。
三井ホームは各所に耐久性の高い素材を採用しているので、メンテナンスにかかる費用を抑えられると思いますが、保証内容としては不十分に感じる人もいるでしょう。
大成建設ハウジング
大成建設ハウジングというより、「パルコン」と言った方が知っている人も多いのではないでしょうか。
大成建設は大手ゼネコンなのですが、そこから個人住宅用の会社として分業したのが大成建設ハウジングです。
ちなみに、パルコンは分業する前に大成建設が個人向け住宅として販売していた商品名であり、今でもパルコンという愛称を使用しています。
大成建設ハウジングの坪単価は、平均90万円。
予算4,000万円台であれば検討することは可能ですが、35坪を超えてくると予算的に厳しくなりそうです。
大成建設ハウジングの強み
大成建設ハウジングの最大の強みは、鉄筋コンクリート造の戸建てを建てていることです。
鉄筋コンクリート造とは、その名のとおり鉄筋とコンクリートを組み合わせてつくる建物で、別名RC住宅ともいいます。
鉄骨造は火災に弱いのに対して、鉄筋コンクリート造は鉄筋をコンクリートで覆うため、耐震性はもちろん耐火性にも優れているのが特徴です。
ただし、木造や鉄骨造に比べると建築コストが高いので、一般の戸建て住宅で採用されるケースはほとんどありません。
現に、積水ハウスやダイワハウスでも個人用住宅としては商品化されておらず、そのほかの住宅会社も手がけていない構造です。
「大成建設ハウジングにしか建てられない戸建て」という付加価値は大きいといえるでしょう。
大成建設ハウジングの弱み
一方大成建設ハウジングの弱みは、坪単価の高さが挙げられます。
大手ハウスメーカーの中でもっとも高いとされる三井ホームの坪単価が約98万円なのに対して、大成建設ハウジングの坪単価は90万円。
オプション次第では、軽く坪単価100万円を超えてしまうケースも少なくないでしょう。
また鉄筋コンクリート造の家は、固定資産税が高いのもデメリットです。
住まいの固定資産税は構造によって税額が変わり、「木造<鉄骨造<鉄筋コンクリート造」の順に高くなります。
鉄筋コンクリート造は、木造の1.5倍以上の固定資産税がかかる計算です。
あらゆる災害に強い大成建設ハウジングの住宅ですが、建築費用だけでなく、ランニングコストが高くなってしまう点も考慮しなければなりません。
土地込みの4000万円台ならどんな家が建てられる?
ここまでは「家の建築費用」だけという前提で、4,000万円台のマイホーム作りについて話をしてきました。
続いては「土地込みの4,000万円台の家づくり」について考えてみたいと思います。
土地込み4000万円台の参考例①
おすすめのハウスメーカーで紹介したスウェーデンハウスを参考に考えてみましょう。
スウェーデンハウスの平均坪単価は75万円です。
建物の大きさは35坪で考えると、土地に充てることができる費用はいくらになるでしょうか?
35坪×75万円=2,625万円
建物本体は2,625万円ですが、ここに当記事の冒頭で紹介した付帯工事費とその他諸経費を足してみます。
建物工事費 35坪×75万円=2,625万円
付帯工事費 2,625万円×20%=525万円
諸費用 2,625万円×10%=262万円
合計 3,412万円
建築費の合計は3,412万円ですが、ここに一部消費税が掛かりますので約3,750万円としておきます。
この試算だと土地代は全て込みの1,250万円までに収めなければなりません。
土地には消費税は掛かりませんが、仲介手数料や登記費用などの諸経費が掛かります。
土地代 1,100万円
仲介料 43万円
諸経費 30万円
土地代が1,100万円だと合計1,173万円ですので、少し余裕があります。
1,100~1,150万円くらいの土地を見つけることができれば、建物の大きさは35坪で何とか予算4,000万円台で収まるのではないでしょうか。
土地込み4000万円台の参考例②
今回紹介したハウスメーカーの中でも一番高額だった大成建設ハウジング(パルコン)だとどうでしょう。
建物30坪の坪単価100万円で試算してみましょう。
建物工事費 30坪×100万円=3,000万円
付帯工事費 3,000万円×20%=600万円
諸費用 3,000万円×10%=300万円
上記の合計が3,900万円ですが、これに消費税を加算すると約4,290万円が建物に掛かる総費用となります。
これだと土地購入に充てることができる費用は710万円なので、土地代だけだと650万円くらいが上限となります。
土地込み4000万円台の参考例③
では最後にローコスト住宅のタマホームでも試算してみたいと思います。
せっかくですので、建物35坪と建物50坪の二世帯住宅で見てみましょう。
50坪の方は二世帯住宅ですので、坪単価50万円として計算します。
建物工事費 35坪×45万円=1,575万円
付帯工事費 1,575万円×20%=315万円
諸費用 1,575万円×10%=157万円
35坪の建物であれば総額2,047万円です。
消費税まで含めても2,250万円くらいで収まるので、予算4,000万円台だと土地代として2,500万円くらいまでなら問題ありません。
建物工事費 50坪×50万円=2,500万円
付帯工事費 2,500万円×20%=500万円
諸費用 2,500万円×10%=250万円
50坪の建物だと総額3,250万円です。
消費税まで含めると3,575万円となるので、土地購入費として使えるのは約1,400万円。
手数料や諸経費を差し引くと土地代は1,300万円が上限です。
まとめ
今回は予算4,000万円台で家を建てる場合の目安予算と家づくりのポイントについて解説しました。
4,000万円台の予算があれば、文中でも書いているように建物の大きさにさえ気をつければ、どこのハウスメーカーでもマイホームを建てることができるはずです。
もちろん二世帯住宅や三階建て住宅でも十分に予算は足りますが、大手ハウスメーカーだと50坪くらいの建物を上限に考えておくのが良さそうです。
三井ホームや大成建設ハウジング(パルコン)だと坪単価が100万円を超えることも珍しくありません。
60坪以上の大きな家を希望するのであれば、タマホームなどのローコスト住宅。
50坪~60坪くらいの家を希望するのであれば、一条工務店やセキスイハイムと同等の価格帯のハウスメーカーを候補にしておくと良いでしょう。
予算が多い分、色々な家づくりが考えられますので、まずはカタログの中からイメージに近いものを選んだ上で、じっくりとハウスメーカー探しをしていきましょう。
当サイトでは、予算ごとに間取り例の解説を行っているので、気になる人はそちらも確認してみて下さい。
※予算別の間取り解説ページ一覧
・ローコスト(1000万円台)の間取り例
・2000万円台の間取り例
・3000万円台の間取り例
・5000万円台の間取り例
・各ハウスメーカーの坪単価ランキング