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所有しているマンションを手放す際には、2つの売却方法があります。
1つは不動産会社に仲介に入ってもらい、購入意思のある買主を探してもらう通常の不動産売却。
もう1つは、不動産会社や買取業者自体に、直接物件を購入してもらう「業者買取」です。
この記事では、最近ニーズが高まっているマンションの買取について、
- 通常の売却とどこが違うのか？
- 買い取りしてもらうメリットは何か？
- 買取額の相場はどの程度か？
- おすすめの買取業者はどこか？
といった点について、詳しく解説します。
業者買取を利用する場合、「現金化が早い」「誰にも知られず売却できる」などのメリットがありますが、その反面「買取金額」はかなり下がってしまうので、自分にとって本当に必要かどうかを慎重に見極めましょう。
マンション買取で注意すべき点は？
専門業者に直接マンションを買い取ってもらう場合、面倒な内覧対応などをせずにすぐ現金化できるので売主はかなり楽です。
早ければ数日で手元に現金がくるので、業者買取の人気は徐々に高まっていますが、もちろんデメリットもあります。
まずは「通常の売却」と「業者買取」の違いについて、基本的な売買の流れを理解しておきましょう。
仲介で売るのと、買取業者に依頼する場合の違い
まずは一般的な売却の流れについて確認しましょう。
通常の売却では、「売主（あなた）」と「仲介業者（不動産会社）」と「買主」の3者が存在します。
個人が所有する家やマンションを売却する場合、買い手も個人のケースが多いので、「売主と買主の間に不動産会社が仲介人として入る」というイメージになります。（下図参照）
一方で「売主（あなた）」が、直接「買取業者（不動産会社）」に売却する場合は、売り手と買い手の2者しか存在しません。
下図を見ればわかりますが、売り手と買い手しかいないため、話し合いが進むスピードが圧倒的に早いです。
極端な話、金額などが折り合えば即日売却が完了し、数日後には現金が手元に振り込まれていることもありえます。
通常の売却の場合、売れるまでの期間は早くても2～3ヵ月程度、場合によっては1年以上売れないケースもあります。
それに比べれば業者買取は圧倒的に早く、また広告活動（※）も不要なため、誰にも知られずにマンションを売却することができます。
それ以外にもメリット多く、以下のような違いがあります。
| 内容 | 業者買取 | 通常売却 |
|---|---|---|
| 決済までの期間 | 最短数日から1ヶ月程度 | 2ヶ月から半年程度 |
| 広告などの売却活動 | なし | あり |
| 内覧 | 業者による内覧の1度だけ | 希望者による内覧が複数回 |
| 売主の保証義務 | なし | 原則あり（3ヶ月程度） |
| 値引き交渉 | なし | 基本あり |
| 仲介手数料 | 不要 | 必要 |
このように、買取にはかなり多くのメリットがありますが、1つだけ大きなデメリットもあります。
それは「売却価格が安くなってしまう」という点です。
買取業者に依頼すると査定額が3割ほど安くなる
マンションの買取業者は、買い取った物件をキレイにリフォームして、再販売することで利益を得ています。
そのため「できる限り安く」物件を仕入れようとするので、一般の売却価格よりも安い金額でしか買ってくれません。
業者によって多少の違いはありますが、おおむね仲介での売却相場より3割から4割ほど低い金額を提示されます。
これが業者買取を依頼する際の唯一のデメリットです。
具体例で考えてみましょう。市場の売却相場が2,000万円のマンションがあったとします。
通常の売却であれば、不動産会社に仲介手数料として「売却価格の3％＋6万円＋消費税」を支払うことになります。
この場合の手数料は「72万6,000円」となりますので、手元に残るのは約1,927万円ということになります。
一方で業者買取の場合は相場より3割ほど安くなりますので、手元に残るのは1,400～1,500万程度ということになります。
たくさんのメリットがある分、これだけ大きな金額差が出てしまうというデメリットもあるので、どちらが得かを慎重に考えましょう。
高く買取してもらうためのポイントは？
業者買取のメリット・デメリットを理解した上で、少しでも高く買い取ってもらうにはどうすればよいでしょうか？
まず絶対に確認しておかなければならないのが、「通常売却での相場価格」です。
これを調べておかないと、買取業者が提示する金額が適切かどうかが判断できないので、必ず事前に調べましょう。
もちろん、買取業者に相場を調べてもらうのはNGです。それではいいように金額を調整されてしまうので、必ず別の業者に査定をしてもらうか、自分で相場価格を調べて下さい。
相場を調べずに、いきなり買取業者に査定を依頼してしまうと、他に判断理由がないため「これくらいが相場なのか。安いけど買取だから仕方ないな…」と思い込んでしまい、安く買い叩かれる可能性があります。
買取業者側は「できる限り安く」査定してきますので、注意が必要です。
できる限り正しい相場価格を調べることが大事
売却相場を自分で調べる場合には、SUUMOやアットホームなどのポータルサイトを利用し、「自分のマンションと似たような立地・築年数・広さ・間取り」のマンションの売り出し価格を調査します。
一件だけでは正確性が落ちるので、できる限りたくさんの物件を調べましょう。
自分が住んでいるマンションで、同じ間取りの部屋が売りに出ていれば、それを参考にすると近い金額になるはずです。
もし自分で調べるのが難しい場合は、買取業者とは別の業者を呼んで査定を取ってもらうのが確実です。
多少手間はかかりますが、できれば3社程度にお願いして査定を取り、その平均額を目安にするのがベストです。
買取業者と違い、仲介業者側は「できるだけ高く売ろう」と作戦を考えますので、不当に安値を出される心配もありません。
査定額を調べるのが大変な場合は？
会社によって査定額にはバラつきがあるので、できれば複数の会社を比較するのがベストですが、手間がかかるのが嫌だという人もいると思います。
そういった場合は、「SUUMO」や「すまいvalue」といった無料で使える査定比較サイトを利用しましょう。
引越し料金の比較サイトと一緒で、誰でも無料で使えるし、一回で複数の会社の査定を調べることができるので便利です。
大手企業が運営しているサイトなら信頼性も高く、安心して使うことができます。
| サイト名 | 特徴 |
|---|---|
| SUUMO | CMでもお馴染みの日本最大級の不動産サイト。多数の不動産会社と提携しているため、マンション売却の相場を調べるのに最適。 |
| すまいvalue | 不動産大手6社が運営する査定比較サイト。住友不動産販売、東急リバブル、小田急不動産など大手のみの査定が調べられるので信頼性が高い。 |
| マンションナビ | マンションの査定比較サイトとして歴史が長く、日本全国をカバーしているので使いやすい。 |
| ※SRE不動産 | 査定比較サイトではないが、大都市に住んでいる人は一度相談した方がよい不動産会社。 |
他にも色々な査定比較サイトがありますが、不動産売買では大きな金額が動くので、運営元が信頼できる上記のサイトがおすすめです。
通常の売却査定と業者買取の査定を比べてみて、あまりにも金額差が大きいようなら、通常の売却で話を進めた方がメリットは大きくなるでしょう。
最終的に買取で進めるにしても、相場を調べておかないことには判断ができないので、なるべく早めに調べておくことをおすすめします。
ちなみに最後に紹介した「SRE不動産」は、比較サイトではなくソニーグループに属する不動産会社です。
ここは少し特殊で、「片手仲介しかしない」と宣言している日本では珍しい会社方針を持っています。
これは売主にとってはかなり有利に働くので、対象地域に住んでいる人は一度相談してみることをおすすめします。
詳しくは「SRE不動産の口コミ、信頼性をチェック！不動産売却に強いと言われる理由は？」で詳しく解説しているので、気になる人はチェックしてみてください。
納得できる金額じゃないならはっきり断ること
先ほど解説したように、買取業者との取引は一対一なので、あなたが提示された金額に納得すればその場で契約が決まってしまいます。
・通常買取の場合
プロである仲介業者が、「できるだけ高く売ろう」とアドバイスしてくれる。買主側が値引き交渉をしてきても、過度な要求なら間に入って調整してくれる。
・業者買取の場合
プロである買取業者が、「できるだけ安く買おう」と交渉してくる。（アドバイスしてくれる人はいない）
この差はかなり大きく、精神的なプレッシャーから、買取業者の交渉に負けて安く売ってしまう人も多くいます。
それは非常にもったいないので、もし納得できる金額じゃない場合は、はっきりと断りましょう。
次のブロックで紹介しますが、買取業者自体もたくさんありますので、1社だけではなく2社、3社と査定を比較してみるのがおすすめです。
あらかじめ調べておいた通常売却の査定と比べて、4割を超える値引き額を提示された場合は、別の業者に依頼した方がよいでしょう。
もしどうしても金額面で折り合いがつかない場合は、通常売却で話を進めるという方法もあるので、プレッシャーに負けず慎重に判断してください。
査定額によっては、数百万円の損をしてしまうケースもあるので、焦りは禁物です。
マンション買取業者のおすすめランキング
このブロックでは、マンションの買取を行っている業者を、過去の実績や口コミをもとにランキング形式で紹介します。
基本的には、過去の実績数が多い方が査定額等についても適切な評価をしていると判断できるので、一定の信頼感があります。
ただし、実際にどの業者が一番高値になるかは査定額を比べてみないとわからないので、あくまでも参考として読んでください。
先ほども書きましたが、「買取業者の査定額」だけではその金額が適切かどうかが判断できないので、「通常売却の査定額」も必ず調べた上で判断しましょう。
ベストランド
| 会社名 | 株式会社ベストランド |
| 住所 | 東京都港区六本木1丁目6番1号 泉ガーデンタワー |
| 電話番号 | 03-3588-7710 |
| 再販戸数 | 2,220戸 |
| 公式HP | https://www.best-land.co.jp/ |
不動産全体の買取件数ではカチタスに及びませんが、数年間連続2位を維持していたマンションの買取再販業者です。
これまで年間2,000戸ほどの買取再販実績がありましたが、コロナの影響なのか2020年度は大きく件数を落としてしまい、1,400戸台となってしまいました。
しかし買取に占めるマンションの比率は多く、実に98％以上となっています。
ほぼマンション専門の買取再販業者だと言っても過言ではないので、有力候補の1つだと思います。
早い人だと相談から現金化まで、1週間ほどのスピード対応も高く評価されています。
口コミ
【東京都在住】
家族の問題で早期売却を希望していて、現金化までが早いという口コミが多かったベストランドさんに相談しました。買取だから通常の売買よりも金額は低くなってしまうことは予想していましたが、こちらの予想を超える買取り価格で驚きました。営業さんの「大事に住まわれていましたよね！それに見合った評価ですよ」という言葉にが嬉しかったです。
【東京都在住】
新人さんだったのでしょうか、ちょっと相性が合いませんでした。買取金額は想像より少し高いくらいでした。やっぱり大きな金額が動くことなので、信頼できるベテランさんのほうが安心だなと思いましたが、金額は納得できたので売却しました。
SRE不動産
| 会社名 | SRE不動産 |
| 住所 | 東京都港区北青山3丁目1-2 青山セント・シオンビル2F |
| 電話番号 | 0120-213-919 |
| 再販戸数 | 不明 |
| 公式HP | https://sre-realestate.com/ |
不動産の売却において、いま最も注目を集めているのがSRE不動産です。
一般的な不動産会社が好んで行う「両手仲介（売主も買主も自社で見つける売買方法）」は一切やらず、売主側だけを担当する売却エージェント制を採用して、多くの売主から好評を得ています。
これは売主の利益を守るために非常に有効な手段で、アメリカなどの諸外国で行われている手法です。（海外ではそもそも両手仲介が法律で禁止されている）
マンション買取でも同じように、売主の利益確保を最優先にした営業戦略をとっており、他社よりも高い買取査定を出してくれると評判です。
弱点は、サービス対象地域が人口が多い都市（東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県）に限られており、実績数が少ないことです。
口コミ
【東京都／30代／男性】
同僚からマンション売るならSRE不動産が良いよと言われ、妻と相談にいきました。「仲介でも買取でもベストを尽くします」と言葉をかけてもらったので、両面で探してもらいましたが、最終的には買取でお願いしました。
【埼玉県／50代／女性】
SRE不動産にお願いしようと思った理由は、売却後も自分たちが住み続けることができるリースバックがあったからです。まとまった現金を手にすることができ、住み慣れた家にそのまま住み続けることができるのが良かったです。
大京穴吹不動産
| 会社名 | 株式会社大京穴吹不動産 |
| 住所 | 東京都渋谷区千駄ヶ谷4－19－18 オリックス千駄ヶ谷ビル |
| 電話番号 | 03-6367-0500 |
| 再販戸数 | 1,471戸 |
| 公式HP | https://www.daikyo-anabuki.co.jp/ |
大京穴吹不動産は、ライオンズやサーパスのブランド分譲マンションを手掛ける大手のマンションデベロッパーです。
自社ブランドのマンション買取再販はもちろん、最近では他社ブランドのマンション買取再販にも力を入れており、2020年度の買取再販数は1,511件です。
これはカチタスを除けば、フジ住宅に次ぐ2位の実績です。
マンションデベロッパーだけあり、買取再販の比率は99％がマンションとなっています。
口コミ
【千葉県／50代／男性】
20年ほど前にライオンズマンションを購入しましたが、息子夫婦と二世帯住宅に住み替えることになり、少しでも息子夫婦に援助できればと思いマンションを売却することにしました。担当してくださったAさんは、ちょうど息子くらいの年齢の方で色々と無理な相談にも気持ちよく応じてくれて頼もしかったです。
【神奈川県／40代／女性】
一括査定を利用したら5社から買取価格の査定が届きました。2社はこちらが考えていた買取額よりはるかに低い金額でしたのですぐにお断り。その中で大京穴吹不動産の査定が高かったので契約しました。
フジ住宅
| 会社名 | フジ住宅株式会社 |
| 住所 | 大阪府岸和田市土生町1丁目4番23号 |
| 電話番号 | 072‐437-8700 |
| 再販戸数 | 1,707戸 |
| 公式HP | https://www.fuji-jutaku.co.jp/ |
フジ住宅は、仲介と買取の両方に力を入れている会社です。
フジ住宅の本社は大阪ですので、特に関西方面でマンション売却を考えている人におすすめの1社です。
近年は関西圏だけでなく、全国でもフジ住宅の名前をよく聞くようになりました。
これまで年間の買取再販ランキングは4位から5位くらいだったのですが、2020年度はカチタスに次ぐ2位に浮上しています。
ランキング上位の中では珍しく、新築と中古の両方で安定した数値をあげているのも特徴の1つです。
口コミ
【大阪府／30代／男性】
マンションからの住み替えで買取してもらいました。気になる中古の戸建てがあって、すぐ現金が必要だったから助かりました。自分のときは1万円でも高く買取してほしくて、交渉したので少し時間はかかりましたが、それでも2週間くらいでした。
【大阪府／50代／女性】
大阪で一番知名度があるフジ住宅さんだから安心してマンションをお預けすることができました。あまり名前も聞いたことがない不動産会社より、誰でも知ってるフジ住宅さんの方が安心だと思いました。
長谷工リアルエステート
| 会社名 | 株式会社長谷工リアルエステート |
| 住所 | 東京都港区芝二丁目6番1号 |
| 電話番号 | 03-5440-5808 |
| 再販戸数 | 490戸 |
| 公式HP | https://www.haseko.co.jp/hre/ |
長谷工リアルエステートは、名前からわかる通り長谷川工務店グループのひとつです。
中古マンションの買取・再販事業を伸ばしてきており、ここ数年でぐっと取扱件数を増やしています。
元々は長谷川工務店が販売したマンションを買い取り、それをリフォームして再販するのが主でしたが、今は他社のマンションも幅広く買い取りしています。
口コミ
【東京都／50代／男性】
有名な長谷川工務店のグループということで買い取りを依頼しました。昔長谷川工務店で購入したときも対応がよく、今回買い取ってもらった時もとてもスムーズに売却が進んだので助かりました。また機会があればお願いしたいです。
【東京都／40代／女性】
父親から相続したマンションの売却でお世話になりました。最初は地元の不動産会社に売却の相談したのですが、対応がイマイチだしなかなか買主を見つけてくれなかったので、そのままの状態ですぐに買取してもらえる長谷工リアルエステートさんにお願いしました。
買取業者を利用する場合の特に大きなメリットは？
買取業者を利用するメリットについては、先ほど解説したようにたくさんあります。
もう一度表を確認してみましょう。通常売却に比べてメリットとなる項目は多いです。
| 内容 | 業者買取 | 通常売却 |
|---|---|---|
| 決済までの期間 | 最短数日から1ヶ月程度 | 2ヶ月から半年程度 |
| 広告などの売却活動 | なし | あり |
| 内覧 | 業者による内覧の1度だけ | 希望者による内覧が複数回 |
| 売主の保証義務 | なし | 原則あり（3ヶ月程度） |
| 値引き交渉 | なし | 基本あり |
| 仲介手数料 | 不要 | 必要 |
このブロックでは、たくさんあるメリットの中でも、特に売主にとって大きなポイントとなる2つについて解説します。
それは「現金化が早い」「契約不適合責任（瑕疵担保責任）が免除される」の2点です。
現金化が早い
すでに何度も解説していますが、業者買取を利用した場合は現金化が早いです。
どの業者を選ぶかにもよりますが、最短なら数日程度で売却が完了し、手元に現金がくることもあります。
これが通常売却の場合だと、買主が見つかった後にも色々と手続きが必要で、手元に現金が来るまで1ヶ月以上待たされるケースもあります。
もし何らかの理由があって現金化を急いでいるなら、通常の売却ではなく業者買取を利用した方が圧倒的に早いです。
契約不適合責任（瑕疵担保責任）が免除される
もう1つ業者買取の大きなメリットと言えるのが、「契約不適合責任（瑕疵担保責任）」が免除されるという点です。
一般的な仲介経由の不動産売買だと、売主は物件に対して一定期間の保証をしなければなりません。
売主さえも気づいてない隠れた瑕疵（不具合）に対しても、売買契約から1ヵ月～3ヵ月ほどは補修や交換の義務があり、これを「契約不適合責任（瑕疵担保責任）」と言います。
例えば中古マンションで多いのが、給排水の配管が錆びていて、そこから水漏れが起こるというトラブルです。
これはかなりやっかいで、もし起きてしまうと多額の修繕費用を負担しなければならなくなります。
しかし買取業者へ直接売却した場合は、この「契約不適合責任」は適用されませんので、売却後にトラブルが起きても売主が修繕費を負担する必要がありません。
これは売主にとって、万が一のリスクを避けられる大きなメリットと言えます。
今所有している物件が築古であればあるほど、この契約不適合責任のリスクが高くなるので、あえて業者買取を選択するという人もいます。
専門知識がない素人からすると見えづらいメリットかもしれませんが、重要なポイントなのでぜひ頭に入れておいて下さい。
こんな物件でも買取してくれるの？
買取専門業者に家やマンションを売る場合、どんな物件だったら買い取りしてくれるのでしょうか？
実は買取業者がカバーする範囲はとても広く、通常の売却ではなかなか買い手が見つからないような「訳あり物件」でも買い取ってくれる可能性があります。
特に大きな問題がない一般的な家やマンションなら100％買い取ってくれますし、以下に挙げる「ちょっと難有りの物件」でも買い取ってくれる可能性があるので、ぜひ一度相談してみましょう。
築古で買い手がつかない戸建てやマンション
築年数が古い家やマンションでも、買取してもらえる可能性は相当に高いです。
買取再販業者は、その名のとおり買取後に自社でリフォームやリノベーションをして再販売をします。
つまり買取業者にとっては、築30年でも築50年でもリフォームしてしまうので、あまり関係はないということになります。
もちろん、築年数が経過していて傷んでいる物件であれば、その分だけ買取金額は低くなってしまいますが、買取を拒否されるケースはあまりありません。
このようなケースでは、まずは通常の売却で売れるかどうか検討してみて、ダメそうだったら買取業者に依頼するのがベストです。
住宅ローンの残債がまだ残っている物件
住宅ローンがまだ返済中の物件でも買い取ってもらうことは可能です。
これは通常の売却あっても、業者買取であっても同様です。
ただし売却する際、住宅ローンの残債務よりも高値で買い取ってもらわないと、債務の不足分を現金で補填しなければなりません。
業者買取の場合、どうしても買取金額は低くなってしまうので注意が必要です。
もしローン債務が多く残っているのであれば、業者買取よりも通常の売買を検討した方がいいかもしれません。
一度両方の査定を取ってみて、返済額に足りるかどうか確認してみましょう。
狭い部屋、ワンルームマンション
ちょっと狭めの部屋やワンルームマンションでも業者買取をお願いすることはできます。
買取業者の中には、ワンルームを専門としている業者もいるくらいです。
ただし買取金額はかなり安くなってしまうので、金額的に折り合うかどうかが問題です。
事件や事故などがあった訳あり物件
これはまさに業者買取が力を発揮するケースです。
俗にいう「事故物件」の売却は、売主にとって大きな負担になることが予想できます。
内覧に来る人に毎回事故の状況を説明しなければなりませんし、当然簡単に買い主が見つかるとは限りません。
仮に運よく興味をもってくれる人がいても、大抵の場合は事故物件を理由に無茶な値引き交渉をされて嫌な思いをすることになります。
それなら最初から業者買取を選択した方が、結果として売主の負担が軽くなるかもしれません。
もし通常の売却でなかなか買主が見つからず困っている場合は、買取専門業者に相談してみましょう。
よくある質問
ここまでで説明できなかった項目や、マンションの買取についてよくある質問をまとめました。
売値が安くなる以外のデメリットはある？
売却価格が下がってしまうというのが業者買取のデメリットであり、それ以外のデメリットは基本ありません。
価格に納得することができれば、手間のかからない業者買取はマンション売却にとって理想の形だと思います。
ただし他社で売却活動中の場合は注意が必要
もし通常の売却活動中に、何らかの理由で早期に物件を売らなければならず、別の買取業者に相談するようなケースでは注意が必要です。
この場合、仲介業者との契約内容によっては、仲介手数料が発生しまう可能性があります。
仲介による媒介契約には以下の3つがあります。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
この中で一番最後の「専属専任媒介契約」を締結している場合に限り、仲介手数料の支払いが発生してしまいます。
仲介手数料を払わないようにするには、仲介業者との契約期間（最長3ヵ月）が切れるのを待ってから買取を依頼しましょう。
買取を依頼した際にかかる費用・手数料は？
一般的な仲介経由の売却と違い、業者買取の場合は仲介手数料は不要です。
その他の費用としては、以下のような費用がかかる可能性があるので、詳しくは担当者に確認してみましょう。（下記は通常の売却でも同様にかかる費用です）
- 印紙税
- 登記費用
- 住宅ローン返済時の手数料
- 譲渡所得税
印紙税は売買契約書に添付する印紙の費用で、1,000円から高くても10,000円程度です。
登記費用とは、不動産の名義を変更する際にかかる費用です。売主はローンの抵当権抹消をする費用、買主は名義変更の費用を負担するのが一般的です。
ローンの抵当権抹消は1件につき1000円程度ですが、依頼する司法書士への報酬分もかかるので、1万～3万円程度を見ておくとよいでしょう。
ローンの返済手数料は銀行によって違いますので、住宅ローンを借りている金融機関に確認します。
最後の譲渡所得税ですが、これはマンションを売却したことで利益が出た場合にかかる税金です。
ですので「マンションの購入金額よりも、売却した金額の方が高かった」というケースでしかかかりません。
業者買取の場合はめったにかからないと思うので、あまり気にしないでも大丈夫でしょう。
東京のマンション買取業者で人気なのは？
先ほどのランキングで大阪などの関西圏では「フジ住宅」が強いと紹介しましたが、東京近郊のマンション買取業者で人気なのは「SRE不動産」です。
お客様満足度も93.0％と高い評価を受けています。
売主の不利益になることが多い両手仲介を一切おこなわず、売主・買主のどちらか一方に寄り添った売却方法（エージェント制度）を採用しているところが人気の理由です。
今のところ日本でこの方針を打ち出している会社は他にはないので、SRE不動産の大きな強みと言えます。
またSRE不動産では、一定の期間内に売却できない場合、「買取保証サービス」を利用することができるので、一定期間内に売りたいという人にも評価されています。
買取保証サービスとは？
「業者買取」と名前が似ていますが、「買取保証サービス」はまた別のものです。
買取保証とは、まず一般の仲介として買主を探しつつ、決まった時期までに買主が見つからなければ、不動産会社が「当初提示した買取用の価格でマンションを買い取ってくれる仕組み」のことです。
例えば、「春から転勤が決まっており、それまでに売らなければいけないけど、できれば少しでも高く売却したい」という人に向いている方法です。
最初は通常の売却として高値売却を目指しつつ、もし売れなかった場合は業者買取に切り替えてくれる…というイメージです。
まとめ
今回はマンションを売る場合の「通常売却」と「業者買取」について、仕組みとメリット・デメリットを詳しく解説しました。
業者買取は、一般の売却に比べると数多くのメリットがあるので、金額さえ納得できるならとても有効な方法です。
しかしその反面、買取額の差はとても大きく、数百万円から場合によっては一千万円以上の差が出ることもあります。
それだけ影響が大きいので、買取を検討する場合には必ず事前に「通常売却での相場価格」を調べておきましょう。
相場がわからないままで買取業者に相談してしまうと、不当に安く買い叩かれてしまう可能性があります。
通常売却の相場は、SUUMOやすまいvalueを使えば簡単に調べる事ができるので、急ぎで売却したい場合でも、必ず事前に調べることをおすすめします。
