和室を洋室にリフォームする際の費用は?施工例と失敗談まとめ

子どもの成長やライフスタイルの変化などによって和室を使わなくなり、持て余してしまうケースは少なくありません。

また「障子の張り替え・畳の表替えが大変」「ダニやカビが発生しやすい」などの悩みから、古い和室のリフォームを検討する人も多くいます。

この記事では、限られた予算のなかで賢く和室リフォームをする方法を紹介します。施工ごとの費用相場に触れながら、事例や注意点、DIYでもできるリフォームなどをまとめています。

目次

和室を洋室にリフォーム!基礎知識

一言で和室リフォームといっても、「どのような部屋にしたいのか」「何のためにリフォームするのか」などによって施工範囲や箇所は異なります。

ここでは、和室リフォームの内容を決めるときに知っておきたい基礎知識をまとめました。

和室リフォームの種類・目的

和室を洋室にリフォームするとき、施工の種類は大きく分けて「①床、②壁・天井、③収納、④建具」の4つがあります。

和室と洋室では使われている建材や構造などが異なるため、既存のものを取り払い洋室向けに変更するという流れになります。

住宅の状態によっては、壁の構造を変える、床下の断熱工事を行うなど大掛かりなリフォームになることもあるでしょう。

和室を完全な洋室にリフォームする場合、一般的には上記の①~④の項目すべてに手を加える必要と認識しておいてください。

しかし、希望によっては「和風の建具をそのまま生かして和モダンな洋室にする」「和室の雰囲気を残し、床と天井だけを張り替える」など、部分的な施工にとどめるケースも少なくありません。

既存の和室をどれだけ生かすかによって費用が異なるため、リフォームの目的や施工の優先順位を明確にしておきましょう。

和室リフォームにかかる期間

和室を洋室にリフォームする期間は1~10日ほどです。

壁・天井のリフォームは1~2日ほど、畳からフローリングへの変更は3~4日ほどと、部分的な施工であれば短期間で完了します。部屋全体を洋室に変更するなど、大掛かりな施工になる場合は10日前後を目安とするとよいでしょう。

なお、マンションは床材の下地変更や壁の工事が不要なケースもあり、相場よりも期間が短くなることもあります。

和室を洋室にリフォームするメリット・デメリット

和室を洋室にリフォームすると、ライフスタイルに合った生活しやすい部屋になる一方で、防音性などのデメリットもあります。

メリット

和室を洋室にリフォームするメリットは、掃除やメンテナンスの負担を減らせることです。

畳を干す、カビ・ダニ防止のために換気するなど、和室をきれいに保つためには定期的なお手入れが欠かせません。

フローリングであれば掃除機で気軽に掃除ができ、食べこぼし・飲みこぼしの処理も簡単に済ませられます。

また、本棚やベッド、デスク、椅子など好きな家具を気兼ねなく置けるメリットもあります。

畳は柔らかい素材のため、重い家具や設置面積が狭い家具などを長時間置くことができません。

「住宅介護が必要になり和室にベッドを置きたい」「季節ごとに模様替えを楽しみたい」などの場合は、畳をフローリングに変更するリフォームがおすすめです。

デメリット

和室を洋室にリフォームするデメリットは、生活音が響きやすいことです。フローリングは畳よりも硬く、足音などの衝撃を吸収しづらい特徴があります。

集合住宅の2階以上の部屋に住んでおり、「子どもが走り回ることが多い」「深夜・朝方に行動する」などの人は、あわせて防音対策を行うとよいでしょう。

またフローリングは、畳より足元が冷えやすいデメリットもあります。表面が硬くて冷たいため、冬は特に寒さを感じやすいかもしれません。

靴下・スリッパを履いたり、暖房器具を増やしたりと、寒さ対策を取り入れるとよいでしょう。

和室を洋室にリフォームする費用相場

和室全体を洋室にリフォームする費用は25万~100万円ほどです。

ここでは「畳をフローリングに変更」「壁・天井を洋風にする」など、施工の種類ごとに詳しい費用相場を紹介します。

畳をフローリングに変更

畳を撤去し、フローリングに張り替える費用は20万円前後です。床材の種類によって費用が異なり、クッションフロアなど木質系以外を選ぶと費用を抑えられるでしょう。

下地に断熱工事・防音工事をほどこす場合や、高さ調整をする場合などは追加費用がかかり、条件によっては30万円以上になるケースもあります。

壁・天井を洋風に

壁・天井を洋風にリフォームする費用は壁の構造によって幅があり、数万~25万円ほどです。

古い戸建住宅など、砂壁や柱がむき出しになっている昔ながらの壁を採用している場合は費用が膨らみやすいでしょう。

現代建築の和室やマンションなどはクロスの貼り替えのみで完了するケースも多く、数万円程度で行えます。

押し入れをクローゼットに

押し入れをクローゼットにリフォームする費用は6万~25万円ほどです。

襖をそのまま残し内側のみつくり替える場合は10万円以下、扉を折れ戸に変更する場合は20万円程度を目安とするとよいでしょう。

また押し入れの奥行きを生かしてウォークインクローゼットにリフォームすることもでき、費用は50万円ほどです。

襖(ふすま)を洋室向けの建具に

襖を洋室向けの建具に変更する費用は、3万~22万円ほどです。

引き戸は襖の枠をそのまま使うかどうかで費用が変わり、使う場合は5万~15万円ほど、新たに枠を設置する場合は12万~15万円ほどを目安とするとよいでしょう。

和室全体を洋室に

和室全体を洋室にリフォームする費用は25万~100万円ほどです。

柱が露出している昔ながらの壁を採用している和室は費用が膨らみやすく、75万~100万円ほどを目安とするとよいでしょう。

部分リフォームを複数回行うよりも、まるごと全体をリフォームしたほうが費用を安く済ませられます。

和室を隣接する洋室と一体化

和室を隣接する洋室と一体化するリフォームは37万~120万円ほどです。

どの程度自然に空間をつなげるかによって費用が異なり、より一体感のある仕上がりを目指す場合は100万円前後が目安となるでしょう。

和室の壁・床・天井を改修し、リビングには手を加えない最低限のリフォームであれば、50万円以下で行える可能性があります。

和室リフォームを安くするためのコツ

和室を洋室に変更するリフォームは、既存の和室をどの程度生かすかによって費用が異なります。

なるべく安く済ませたい場合は、壁や建具などをそのまま残し、畳の張り替えや収納の変更のみを行う部分リフォームを検討しましょう。

特に、柱や梁が見える「真壁」を、洋室向けの「大壁」に変更する工事は費用が膨らみやすいため、予算に応じて施工の有無を決めるのがおすすめです。

また、和室の押し入れをDIYで改造する方法もあります。扉を外してそのままデスクや作業台にしたり、中にカラーボックスを設置して収納を増やしたりと、アイデア次第で使いやすく変更できるかもしれません。

デザインと機能性、費用のバランスを考慮し、リフォーム会社に依頼するかどうかを検討しましょう。

リフォーム会社を選ぶポイント

和室を洋室に変更するリフォームは、住宅の状態によっては大掛かりな施工になるケースもあります。

ある程度の費用がかかるため、コストを抑えながらも理想のイメージを叶えてくれる良質なリフォーム会社に依頼したいと思う人は多いでしょう。

リフォーム会社はそれぞれに異なる特徴があるため、下記のポイントを意識することが大切です。

ホームページで実績をチェック

リフォーム会社はそれぞれ得意・不得意な施工があるため、まずはホームページなどで過去の実績をチェックしましょう。

たとえば、トイレや台所、浴室などの施工事例が多く掲載されているのであれば、水回りの設備交換が得意なことがわかります。

「和室を洋室に変更するリフォーム実績はあるか」「デザインや機能性など、リフォームのこだわりを実現できそうか」などを確認し、候補となるリフォーム会社を選定してください。

相見積もりで見積書を比較

リフォーム会社は最初から1社に決定せず、2~3社を目安に相見積もりを取りましょう。

1社のみに見積もりを取ると費用相場を把握するのが難しく、安すぎる・高すぎるといった違和感に気づきづらいからです。

打ち合わせをするときは、すべてのリフォーム会社に同じ条件を伝えること、他社の見積書を引き合いに出して価格交渉をしないことなどに注意してください。

すべての見積書がそろったら金額や内容を比較します。金額が極端に安い・高い場合はその理由を担当者に問い合わせ、すぐに契約を決めないようにしましょう。

また見積内容に「一式」と書かれている箇所があれば、その内訳も説明してもらうと安心です。見積書に記載されている金額以外で費用が発生するかどうかも、あらかじめ聞いておきましょう。

担当者の提案・説明は丁寧か

見積書だけでなく、担当者の人柄や雰囲気なども重要なポイントです。

「こちらの質問にわかりやすく答えてくれるか」「ニーズを汲み取って適切な提案をしてくれるか」などにも目を向け、相性がよいと感じるリフォーム会社と契約しましょう。

コミュニケーションが取りやすく、要望をしっかりと伝えられるリフォーム会社なら満足度の高いリフォームが期待できます。

アフターサービス・保証の有無

保証・アフターケアの有無はリフォーム会社によって異なります。あらかじめそれらの内容と期間、範囲などを確認し書面にまとめてもらいましょう。

施工の質を第三者が調査・保証してくれる「リフォーム瑕疵保険」に入っているリフォーム会社なら、万が一手抜き工事やミスが発覚した場合は補修を依頼できます。

和室の洋室リフォーム施工例

ここでは、和室を洋室に変更するリフォームの施工事例を紹介します。

和室を子ども部屋につくり替えた事例や、柱を残して部分リフォームを行なった事例などをまとめました。

趣味の部屋!和室を収納力たっぷりの洋室へ

出典:Re:estニッカホーム 施工事例

古い和室をリフォームし、収納力たっぷりの洋室へ変更した事例を紹介します。依頼者は将来子ども部屋にするために、和室リフォームを検討したそうです。

しかしまだ子どもが小さいため、ひとまず趣味の空間として使うべく、機能性・デザイン性をアップした使い勝手のよい部屋を目指して和室全体をリフォームしました。

天井は昔ながらの丸太梁を生かし、化粧仕上げにすることで見栄えをアップ。天井と壁は白いクロスを基調とし、一面にブルーのアクセントクロスをほどこしています。

デッドスペースに壁面収納を新設したことで、小物やオブジェなどをたっぷり置ける収納力の高い部屋になりました。

和室の柱を残したアジアンテイストの洋室

出典:住まいるOSCAR リフォーム施工事例 > 寝室・子供部屋リフォーム

高齢の両親との同居を検討し、寝室として使われていた和室をリフォームした事例です。

「アジアンリゾートをイメージしたお部屋にして欲しい」という要望を受け、内装のデザインを考案。和室の柱をあえて残し、木目を生かした濃いブラウンの塗装をほどこしました。

天井は高さを上げ、一部に間接照明を導入しました。アンティーク調のフローリングや調光機能付きのダウンライトなども相まって、雰囲気のあるモダンな洋室となっています。

仏間・床の間をクローゼットにリフォーム

出典:Re:estニッカホーム 施工事例

和室を洋室にリフォームし、子ども部屋をつくった事例を紹介します。成長にあわせて多くのものをしまえるように、仏間・床の間を解体して大きなクローゼットを設置しました。

扉を引き戸にしたことで開口部が広くなり、なかのものを取り出しやすくなっています。

また既存の窓に内窓を増設し、部屋の断熱性を向上しました。防音性の向上も期待でき、部屋に友達を招いたりおしゃべりをしたりしても、外に声が漏れる心配がありません。

壁と収納、ドアの色をホワイトで統一し、明るく清潔感のある洋室に仕上げています。

段差をなくしてフラットに!ライフスタイルに合った和室へ

出典:近鉄のリフォーム ニューイング リフォーム

戸建住宅の内装をリフォームし、ライフスタイルに合った現代的な和室へ変更した事例です。

既存の面影を残しながらも、段差解消や収納の増設などをほどこし、使いやすい和室にリニューアルしました。扉を開けてダイニングと和室をつなげ、空間を広々と使うこともできます。

このように部分的な改修によって、和室のまま使い勝手のよい空間にリフォームできるケースも少なくありません。

「掃除の手間を減らしたいためフローリングに変更」「子育てのスペースにしたいため畳を残す」など、用途に応じて和室を残すか・洋室に変更するかを検討するとよいでしょう。

和室とLDKをつなげて15畳のリビング空間に

出典:住まいるOSCAR

築30年の戸建住宅をフルリフォームし、和室を洋室に変更した事例を紹介します。

あまり使わない2間続きの和室があり、そのうちの1つを洋室へリフォーム。そして壁を取り払って6帖のリビングとつなげ、15畳の広々としたLDKをつくりました。

リビングの床とフローリングの色をあわせ、段差のない設計にしたことで、繋ぎ目がわからない自然な仕上がりになっています。

またもう1つの和室はそのまま残し、クロス・畳を一新。既存の雰囲気はそのままに、清潔感のあるきれいな和室に生まれ変わりました。

和室におすすめ!評判のよいリフォーム会社

リフォーム会社は主に下記の種類があり、それぞれに異なる特徴があります。

  • ハウスメーカー
  • リフォーム専門会社
  • 地域の工務店
  • 設計事務所/建築家
  • 家電量販店/ホームセンター
  • 住宅設備メーカー
  • 工事専門業者

部分的な改修や小規模なリフォームの場合は、リフォーム専門会社や家電量販店/ホームセンター、住宅設備メーカー、工事専門業者などが適しています。

一方、和室全体を洋室につくり替える、間取り変更をともなうなど大掛かりなリフォームを検討している場合は、幅広いリフォームに対応しているハウスメーカーがおすすめです。

ここでは、和室に対応している評判のよいリフォーム会社を3つ紹介します。リフォーム業者選びで迷っている人は参考にしてください。

住友林業のリフォーム

「住友林業のリフォーム」は、ハウスメーカーの住友林業が手がけるリフォーム事業です。

「2023年 オリコン顧客満足度ランキング」のフルリフォーム部門で1位を獲得し、500万円以上の大規模リフォームを得意としています。

ホームページでは多くの和室リフォーム事例を公開しており、和室の部分的な修繕から洋室への変更リフォーム、間取り変更をともなう大掛かりなリフォームなど幅広い施工に対応できるでしょう。

モデルルーム名住所
多摩センターリフォームモデルルーム〒206-0041
東京都多摩市愛宕4−6−23 第十三東菱ビル 1階
三鷹リフォームプラザ〒181-0013
東京都三鷹市下連雀3-43-23 サウスポイント三鷹 6F
リフォームライブラリー立川〒190-0015
東京都立川市泉町935-1 センターハウス内

積水ハウス建設のリフォーム

「積水ハウス建設のリフォーム」は、住宅メーカーの積水ハウスが手がけるリフォーム事業です。

店舗やオフィスなど住宅以外の建物にも対応しており、高い技術力が人気を集めています。

積水ハウスグループとしてのリフォーム売上実績は8年連続業界トップ(2022年9月リフォーム産業新聞社調べ)となっており、大規模リフォームを中心に豊富な実績があります。

既存の住宅を積水ハウスで建てた場合は、積水ハウスの住宅のみに対応したリフォーム事業「積水ハウスリフォーム」もおすすめです。

ショールーム名住所
リ・クエストギャラリー 幕張ショールーム〒262-0032
千葉市花見川区幕張町5-417-7 幕張ハウジングパーク内№14
水戸ショールーム〒310-0851
水戸市千波町2374-41
リ・クエストスクエア 大宮ショールーム〒331-0813
埼玉県さいたま市北区植竹町1-816-1(大宮北ハウジングステージ内)
宇都宮ショールーム〒321-0932
栃木県宇都宮市平松本町1136番地5
リ・クエスト スクエア 横浜くらし館 〒220-0024
横浜市西区西平沼町6-1 tvk ecom park ヨコハマくらし館内
リ・クエスト スクエア 横浜〒224-0001
横浜市都筑区中川1-4-1 ハウスクエア横浜 住まいの情報館1F
東京インテリア家具 大阪本店内ショールーム 〒551-0023
大阪市大正区鶴町2-23-28
東京インテリア家具 神戸店内ショールーム 〒650-0047
神戸市中央区港島南町1-2-2

LIXILリフォーム

「LIXILリフォーム」は、住宅設備メーカーのLIXILが手がけるリフォーム事業です。

小規模リフォームに特化した「リクシルPATTOリフォーム」、部分リフォーム向けの「ここちリノベーションライト」など、さまざまなニーズを叶えるパッケージ商品があります。

また住宅設備メーカーでありながら大規模なフルリフォームの実績もあり、技術力に定評があるのも魅力の1つです。

LIXILの商品を使いたい人や、内装のみの部分リフォームを検討している人に適しています。

ショールーム名住所
LIXILショールーム東京 〒160-6107
東京都新宿区西新宿8-17-1 住友不動産新宿グランドタワー6F
LIXIL足立水まわりショールーム 〒121-0063 東京都足立区東保木間1-4-7
LIXIL葛西水まわりショールーム 〒134-0083 東京都江戸川区中葛西4-4-1
LIXIL東京エクステリアショールーム 〒168-0073 東京都杉並区下高井戸5-4-41
LIXIL世田谷水まわりショールーム 〒158-0098 東京都世田谷区上用賀6-5-9
LIXILショールーム立川 〒190-0015 東京都立川市泉町841番地141
LIXILショールーム大阪 〒530-0011 大阪府大阪市北区大深町4-20 グランフロント大阪南館タワーA11階
LIXILショールーム南港〒559-0034 大阪府大阪市住之江区南港北1-7-62
LIXILショールーム箕面 〒562-0014 大阪府箕面市萱野4-5-45 2F
LIXIL大阪エクステリアショールーム 〒562-0014 大阪府箕面市萱野4-5-45 1F
LIXIL堺水まわりショールーム 〒593-8328 大阪府堺市西区鳳北町8丁35番地

和室を洋室へリフォームする注意点・失敗談

和室と洋室は構造や使用する建材などが異なるため、あらかじめそれらの違いを知ることが大切です。

住宅の状況によっては、防音対策や段差の解消、湿度対策などを検討するとよいでしょう。

防音・遮音性への注意が必要

「和室を洋室にリフォームするメリット・デメリット」でも紹介したように、畳からフローリングに変更すると防音性が落ちてしまいます。

「2階の足音が1階に響きやすくなった」「マンションの近隣に生活音が聞こえてしまう」などの失敗例も多いため、小さい子どもやペットがいる家庭などは注意が必要です。

防音・遮音性の高いフローリングを選んだり、クッションフロアを敷いたりとあわせて防音対策を行いましょう。

マンションの遮音規定に注意

マンションなどの集合住宅では、フローリングの遮音規定が設けられているケースがあります。

遮音規定とは、階下へ生活音が響きすぎないようにするために、床材の遮音性能を定めたものです。

規定よりも遮音等級が低い床材は使用できないため、あらかじめ管理会社に内容を問い合わせるとよいでしょう。

床の高さ(段差)ができないように注意

畳を取り払ったあと、そのままフローリングを貼ると部屋の入り口に大きな段差ができてしまいます。

フローリングは畳よりも薄いものが多く、下地を変更して床の高さを底上げする必要があるからです。

一般的にこの高さ調整にも費用がかかるため、「隣の部屋と段差はできるか」「追加費用は必要か」などをリフォーム会社に確認するとよいでしょう。

湿度の変化が大きくなる可能性がある

畳には湿度が高いときは湿気を吸収し、低いときには湿気を放出する調湿機能があります。

夏の暑い時期は湿度を低く、冬の乾燥した時期は適度な湿度を保ってくれるため、一年を通して快適な空間をつくれることが特徴です。

したがって、畳をフローリングに変更すると今までのような湿度環境を維持できなくなり、部屋の快適性に影響をあたえる可能性があります。

住宅の状況によっては、調湿効果のある建材を使用する、窓を増設するなどの湿度対策を検討するとよいでしょう。

和室から洋室へのリフォームはDIYできる?手順・注意点

住宅の構造に影響をあたえづらい箇所であれば、DIYでリフォームすることもできます。

大掛かりな施工はリフォーム会社に依頼し、部分的にDIYを取り入れることでコストを削減できるでしょう。

DIYでリフォームすることができる箇所は?

和室をDIYで洋室風にするには、以下の方法があります。

  • 畳の上からクッションフロアを重ね貼り
  • 押し入れのアレンジ
  • 襖のアレンジ/引き戸へ変更
  • 障子をプリーツスクリーンやガラスシートに変更

DIYに慣れている人であれば、畳を撤去してフローリングを貼ることもできます。

しかし下地材を貼ったり、高さ調整をしたりと高度な技術が必要なだけでなく、失敗すると耐震性や耐衝撃性などに影響を与えかねません。

畳を剥がして下地を直す、壁を壊すなど、家の構造に手を加えるリフォームはプロに依頼するのが望ましいでしょう。

DIYでどれだけコストが抑えられるか確認

上記で紹介したDIYの方法は、どれも既存の和室を生かしながら見た目を変えられる簡単な方法ばかりです。

畳の上からクッションフロアを貼る費用は15,000~35,000円ほど、押し入れをカーテンやクロスでアレンジする費用は30,000円以内と、コストもさほどかかりません。

リフォーム会社に依頼するときよりも、10万円以上の費用を節約できるケースも見受けられます。

しかし万が一DIYで失敗した場合は、リフォーム会社に修繕を依頼しなければなりません。

最初からリフォーム会社に依頼した場合よりも、費用が高くなる可能性があるため慎重に作業を行いましょう。

安全対策・防音対策をしっかりと

安全に作業を行うためには、保護具や工具、化学薬品などの知識を身につけることが大切です。

たとえば、作業によっては安全メガネや作業用のグローブ、マスク、耳栓、安全靴などを身につける必要があります。

また、使い終わった電動工具はコンセントを抜くなど、工具の取り扱いが事故防止につながるケースも少なくありません。

常に周囲の安全を確認する習慣をつけ、危険性を理解したうえで作業に取り組むことが大切です。

まとめ

和室を洋室に変更するとき、大きく分けて床、壁・天井、収納、建具のリフォームを行います。

部屋の広さや住宅の状態などによって費用に幅があり、和室全体を洋室につくり替える費用は25万~100万円ほどを目安とするとよいでしょう。

もとの和室をどの程度生かすかによって費用が変わるため、なるべく安く済ませたい人は壁や建具などをそのまま使用した、和モダンな洋室を目指すのがおすすめです。

また押し入れや襖など、建物の構造に影響をあたえづらい箇所であればDIYでアレンジすることもできるので、部分的に取り入れてみてください。

リフォーム会社を選ぶときは最初から1社に決定せず、2~3社を目安に相見積もりを取り、金額や見積書の内容、担当者との相性、保証の有無などを総合的に判断することが大切です。

リフォーム会社選びは施工の満足度を左右する重要な役割があるため、金額のみにとらわれず、信頼できると感じる担当者を慎重に選ぶとよいでしょう。

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