【目的別】キッチンリフォームの補助金と費用相場、失敗例まとめ

[PR]

キッチンは日々の生活に欠かせないスペースです。

毎日使う場所だからこそ、快適でこだわりのあるキッチンを作りたい一方で、費用や失敗が気になってリフォームに踏み切れない人も多いのではないでしょうか。

この記事では、キッチンリフォームで使える補助金や費用相場、失敗例について解説します。

この記事を読むことで、キッチンリフォームの基本知識や注意点が身につくので、ぜひ参考にしてください。

目次

キッチンリフォームで使える補助金

ここからは、キッチンリフォームで使える以下の補助金について解説します。

  • こどもエコすまい支援事業
  • 長期優良住宅化リフォーム推進事業
  • 介護保険
  • 各自治体の補助金・助成金制度

補助金を活用すると、浮いた費用で新しいオプションをつけることもできます。

それぞれ順番に見ていきましょう。

こどもエコすまい支援事業

こどもエコすまい支援事業は省エネ性能の向上などに対して補助金を支給する事業です。

令和4年度に実施された「こどもみらい住宅支援事業」と同様の運用が検討されています。

対象となる工事には「A(いずれか必須)」と「B(Aと同時にする場合、補助対象)」の2種類があります。

A(いずれか必須)開口部の断熱改修
 外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
 エコ住宅設備の設置
B(Aと同時にする場合、補助対象)子育て対応改修
防災性向上改修
 バリアフリー改修
 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
 リフォーム瑕疵保険等への加入
出典:対象要件の詳細|こどもエコすまい支援事業

キッチンのリフォームで対象となる例は、以下のとおりです。

  1. Aの「エコ住宅設備の設置」を「節湯水栓」の設置でクリアする
  2. Bの「子育て対応改修」で以下の対象工事を併用する
  • ビルトイン食器洗機
  • 掃除しやすいレンジフード
  • ビルトイン自動調理対応コンロ

原則として、一戸あたり最大30万円の補助金を受けられます。

2023年にリフォームを検討している人は、まずは「こどもエコすまい支援事業」の申請を検討してみましょう。

長期優良住宅化リフォーム推進事業

長期優良住宅化リフォーム推進事業は、建物の性能を向上させる工事を対象に、既存住宅の改修を支援する制度です。

キッチンリフォームの場合は「三世代同居対応改修工事」が該当し、現在のキッチン以外の部屋への増設が必要になります。

補助金を受けるための要件は、以下4つすべてに対して適合していることです。

1. リフォーム工事前にインスペクションを行うとともに、維持保全計画及びリフォームの履歴を作成すること。
2.リフォーム工事後に次の性能基準を満たすこと。
<必須項目>
構造躯体等の劣化対策、耐震性(新耐震基準適合等)、省エネルギー対策の基準
<任意項目>
維持管理・更新の容易性、高齢者対策(共同住宅)、可変性(共同住宅)の基準
3.上記2の性能項目の性能向上に資するリフォーム工事、三世代同居対応改修工事、子育て世帯向け改修工事、防災性の向上改修工事、レジリエンス性の向上改修工事のいずれか行うこと。
4.住戸面積の確保、居住環境、維持保全計画の策定の要件に適合すること。

引用:長期優良住宅化リフォーム推進事業|国立研究開発法人 建築研究所

なお、キッチンだけでなく浴室やトイレのリフォームを組み合わせた申請もでき、戸建てやマンションを問いません。

申請の手続きができるのはリフォーム業者と請負契約を締結した後です。

3世代で同居している人や、その予定がある人は、リフォーム業者に相談してみましょう。

介護保険

要支援・要介護認定されている人の自宅では、介護保険を利用した住宅改修の補助金を申請できます。

浴室やトイレの改修工事で利用されるケースが多いものの、キッチンのリフォームでも以下の工事は補助金対象に該当します。

  • キッチン内に手すりを取り付ける
  • 床の段差を解消する
  • すべりにくい床材に交換する

おおまかな申請の流れは、下記のとおりです。

  1. 担当のケアマネージャーに相談
  2. 申請書類を担当部署へ提出
  3. 工事着手、完成
  4. 補助金の支給申請

介護保険を利用する場合の注意点は、工事を始める前に申請しなければ補助金が認められないことです。

介護区分にかかわらず最大18万円を支給されるため、該当の可能性があれば自治体やリフォーム業者に相談してみましょう。

各自治体の補助金・助成金制度

国の支援以外にも、独自に補助金や助成金制度を設けている自治体があります。

自治体名制度名補助金の上限
東京都目黒区住宅リフォーム資金助成10万円※一般リフォームの場合
愛知県犬山市犬山市住宅リフォーム補助金親世帯と子世帯の同居の有無によって変動
大阪府泉佐野市住宅リフォーム助成事業10万円

補助金は予算に達ししだい終了となるため、自治体のホームページで最新情報を確認してみましょう。

補助金を申請する際のポイント

補助金を申請する際のポイントは公開されている要件を読み込み、必要書類を不備なく揃えることです。

内容に不備があると申請は受理されず、後から手続きした人が先に受け付けとなる可能性があります。

先着順で受け付ける補助金の場合、順番が遅れると手続き完了前に締め切られてしまう事態につながりかねません。

制度の内容が難しければ、リフォーム業者や自治体の担当者に都度確認しながら進めると良いでしょう。


ここまで、リフォームで使える補助金について解説しました。

状況によって使用できる、使用できないがあったかと思いますが、他にもリフォーム費用を安く抑えるコツがあります。

それは「複数の会社の見積もりを比較する」ということです。なぜなら1社だけの見積もりを確認しただけでは、提示された金額が正しいのか判断できないからです。

もし業者選びについてまったく知識がないという人は、大手ポータルサイトの「SUUMOリフォーム」で相談してみるのもおすすめです。

自分がリフォームしたい箇所や予算などをクリックして選ぶだけで、簡単に業者選びのアドバイスがもらえます(無料サービスです)。

リフォームは大きな費用がかかるので、失敗しないように依頼する業者は慎重に選びましょう。

目的別のリフォーム費用相場

キッチンのリフォームでは、部分的な設備交換から間取り変更を伴う改装まで、人によって目的はさまざまです。

どんなリフォームをするかによって、かかる費用は工事期間は大きく変わってくるので注意が必要です。

まずは目的別に、おおまかな費用相場を解説していくので参考にしてみてください。

こちらで掲載しているのはあくまでも目安価格なので、住んでいる地域や依頼する業者によっては価格が大きく異なる可能性もあります。

リフォームは定価が決まっている工事ではないので、悪質な業者に騙されて失敗してしまうことも。

どこのリフォーム業者にするのか悩んでいる人は、「リフォーム会社はどこがいい?口コミと安さで選ぶ大手人気ランキング!」の記事もあわせチェックしてみてください。

信頼性の高い大手をランキング形式で紹介しています。

コンロやレンジフード、食洗機など部分的なリフォーム

出典:施工の流れ(キッチン)|Panasonic

部分的な設備の交換費用は、新しく取り付ける商品の値段に影響されやすい特徴があります。

たとえば、水栓を交換する場合、シンプルなレバー水栓であれば安価で交換できる一方、節水や浄水の機能がついた製品は定価が高く、費用は比較的割高です。

ガスコンロやIH、レンジフードの上位モデルには、普段の手入れを簡単にする機能が備わっており、ほかのグレードと比べて金額差が10万円以上のケースもあります。

費用と機能のバランスを見極めて、自分にあった製品を選択するのが重要です。

工事部位金額の目安
水栓1万5,000〜6万円
ガスコンロ10〜25万円
IHコンロ10〜20万円
食洗機10〜20万円
レンジフード15〜25万円

システムキッチンの導入・交換

出典:お気に入りカラーのシステムキッチン|TOTO

位置を変えずにキッチンを交換する費用の相場は、50万から150万円です。

既存と同じ位置で交換すると床や壁に負担が少なく、キッチン交換工事のなかでは費用を抑えやすいのが特徴といえます。

マンションの場合、給水や排水の経路の問題で、位置を変更する工事ができない可能性も少なくありません。

費用をできるだけ抑えてキッチンを交換したい人には、おすすめの方法ですが、それでも100万円近くの費用がかかることもあるので、しっかり相見積もりしてから決めるのがおすすめです。

リフォーム費用の相場50〜150万円
工事内容の例・キッチン交換
・壁・天井のクロス張り替え

レイアウト変更を伴うリフォーム

出典:対面キッチンの作業による家族の笑顔!|TOTO

レイアウト変更を伴うリフォーム費用の相場は、100万から200万円です。

レイアウト変更の例には、壁付けのキッチンを対面式に変更するリフォームが挙げられます。

施工範囲がリビングやダイニングにまで及ぶケースが多いため、施工費用もアップする傾向があります。

また、キッチンに合わせて換気扇のダクトや水道配管、電気配線も加工が必要です。

現在のキッチンの使い勝手が悪かったり、LDKの雰囲気を一新したい人には選択肢のひとつになるでしょう。

リフォーム費用の相場100〜200万円
工事内容の例・キッチン交換
・壁・天井のクロス張り替え・床の張り替え

I、L型への変更を含むリフォームなど

出典:お気に入りの古きよき雰囲気はそのまま。庭向きの明るい対面キッチンへ|キッチンな暮らし。

既存のキッチンとは異なる形状で交換する場合の費用相場は、最低でも70万円以上です。

形状が変わっても水道や電気のルートをそのまま活かせる工事であれば、既存位置のまま交換するリフォームと同様に費用を安く抑えられる可能性もあります。

形状を変更する際は、新しく設置したいキッチンのスペースと製作可能寸法に注意が必要です。

たとえば以下の例の場合、リフォーム予定地のBの間口がメーカーの製作可能寸法より短いと、レイアウトをI型からL型へは変更できません。

出典:間取りづくりの手引き|Panasonic

設置できるかの可否は、事前にリフォーム業者への確認が必要です。

また費用に関しても上限は不明なので、どれくらいかかるかは事前によくヒアリニングしておく必要があります。

不安がある場合は「SUUMOリフォーム」などでプロの意見を聞いてから決めるのがおすすめです。

リフォーム費用の相場70万円〜
工事内容の例・キッチン交換
・壁・天井のクロス張り替え
・床の張り替え
・照明の交換

間取り変更を含むフルリフォーム

出典:快適な暮らしに!全面改装リフォーム|TOTO

間取り変更を前提としたLDKフルリフォームの相場は、250万円以上です。

施工は広範囲に及び、ほかのパターンと比較しても費用に大きな差が出ます。

間取り変更を伴うリフォームは、新しいキッチンに合わせて部屋全体をトータルコーディネートできるのが魅力です。

壁紙の色や照明の位置、フローリングの柄まで好きなようにカスタマイズできます。

これまでキッチンにあった不満や悩みを一気に解消し、理想のキッチンを実現できる可能性を秘めたリフォームといえるでしょう。

もちろん、かかる費用も高額になりますので、慎重に業者を比較した上でどこに依頼するか決めましょう。

※リフォーム業者については「リフォーム会社はどこがいい?口コミと安さで選ぶ大手人気ランキング!」のページでも解説しているので参考にしてください。

リフォーム費用の相場250万円〜
工事内容の例・キッチン交換
・壁、天井のクロス張り替え
・床の張り替え
・照明の交換

システムキッチンの人気ランキング

ここからは、メーカーごとに人気のシステムキッチンを紹介します。

キッチン選びの参考にしてみてください。

ラクエラ(クリナップ)

出典:ラクエラ|クリナップ
メーカークリナップ
本体価格789,800円~(税別)※I型255cm、基本プランの場合
対応可能な形状・I型
・L型
・対面型
間口165〜300㎝※I型の場合
天板の素材ステンレス、人工大理石
扉カラー30色

「ラクエラ」はクリナップが提供するキッチン3シリーズのうち、もっとも価格帯が安い普及グレードに位置しています。

ラクエラの特徴は、天板やシンクの標準仕様にステンレスを採用していることです。

ステンレスは水や熱に強く、汚れもつきにくいため長期間にわたって綺麗な状態を保てます。

シンクの表面にエンボス加工を施した「美・サイレントシンク」を採用すれば、傷の発生や水跳ね音を防げることから、使い勝手はさらに向上するでしょう。

シエラS(LIXIL)

出典:シエラS|LIXIL
メーカーLIXIL
本体価格577,000円~(税別)※I型255cmの場合
対応可能な形状・I型
・L型
・対面型
間口165〜300㎝※I型の場合
天板の素材・ステンレス
・人造大理石
扉カラー28色

「シエラS」は、住宅建材メーカー大手のリクシルが展開する、スタンダードモデルのキッチンです。

無駄な要素を省き、スリムなラインを基調にすることで、飽きのこないデザインになっています。

カラーコーディネートにも力を入れており、インテリアを選ぶような感覚でパーツを選べるでしょう。

3つのパッケージプランが用意されており、キッチンのプランを考えるのが苦手な人でも簡単にベースのデザインを決められる点も特徴です。

ステディア(クリナップ)

出典:ステディア|クリナップ
メーカークリナップ
本体価格705,700円~ (税別)※I型255cm、スタイリッシュプランの場合
対応可能な形状・I型
・L型
・対面型
間口180〜300㎝※I型の場合
天板の素材・ステンレス
・人工大理石
・セラミック
扉カラー49色

「ステディア」はクリナップのキッチンシリーズのうち、真ん中のグレードに位置します。

ラクエラとの違いは、対面キッチンの形状や扉カラーの選択肢が増え、自由度が高い点です。

キッチン天板の材質に追加されたセラミックは、汚れを水で下から浮かせる「親水性」に優れ、日々の手入れをラクにしてくれます。

また「流レールシンク」は、水流でゴミを自動的に排水口まで運ぶ設計です。

面倒だったシンクの掃除を、スムーズにしてくれます。

ラクシーナ(パナソニック)

出典:ラクシーナ|Panasonic
メーカーPanasonic
本体価格約840,000円~ (税別)※I型255cm、シンプルプランの場合
対応可能な形状・I型
・II型
・L型・対面型
間口 150〜300㎝※I型の場合
天板の素材・ステンレス
・人造大理石
扉カラー46柄

パナソニックの「ラクシーナ」は、一般住宅用のなかでスタンダードモデルのキッチンです。

パナソニック独自の「スゴピカ素材」を使ったシンクは傷や汚れに強く、普段のお手入れが簡単になります。

「ほっとくリーンフード」はファンの掃除が10年間不要のレンジフードで、油が溜まるプレートも食洗機で年に一度洗うだけの仕様になっています。

収納の奥行きも47.5cmと広く設計されており、収納に悩んでいる人でも安心です。

エーデル(タカラスタンダード)

出典:エーデル|Takara standard
メーカータカラスタンダード
本体価格328,500円~ (税別)※I型255cm、扉タイプの場合
対応可能な形状・I型
・L型
・対面型
間口150〜300㎝※I型の場合
天板の素材・ステンレス
・人造大理石
・アクリル人造大理石
扉カラー7色

タカラスタンダードが展開する「エーデル」は、同社の特徴であるホーロー素材を生かしたキッチンシリーズです。

ホーローは手入れのしやすさに定評があり、油汚れや落書きも水拭きで簡単に落とせます。

また、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドを含む有害物質が発生しません。

小さい子どもがいても安心して使えるキッチンといえるでしょう。

ノクト(LIXIL)

出典:ノクト|LIXIL
メーカーLIXIL
本体価格776,000円~ (税別)※I型255cmの場合
対応可能な形状・I型
・II型
・L型
・対面型
間口165〜300㎝※I型の場合
天板の素材・ステンレス
・人造大理石
扉カラー40色

2022年6月に発売となった、リクシルの新しいキッチンシリーズが「ノクト」です。

デザイン性を高めたキッチンで、扉カラーは40色、取手は11種類5形状から自分の好みに合わせたスタイルを作れます。

「スリムデザインワークトップ」は天板の厚さを10mmまで薄くしており、洗練された印象を与えてくれるでしょう。

ミッテ(TOTO)

出典:ミッテ|TOTO
メーカーTOTO
本体価格730,500円~ (税別)※I型255cm、基本プランの場合
対応可能な形状・I型
・L型
・対面型
間口180〜300㎝※I型の場合
天板の素材・ステンレス
・人工大理石
扉カラー36色

水まわり建材メーカー大手のTOTOが発売しているキッチンシリーズのひとつが「ミッテ」です。

斜め形状の「エアインシャワー」は、幅広のシャワーで作業効率をアップさせます。

また、空気を含んだ水を出してくれるため、節水にも効果的です。

「センターラインキャビネット」を使えば、使用頻度や大きさに応じてキッチン用品を適所に収納できます。

キッチンのリフォームでよくある失敗例

トラブル事例を知っておくことで、自分のリフォームの際に失敗を避けやすくなります。

ここからは、キッチンのリフォームでよくある10の失敗例について解説します。

作業スペースが狭すぎた

まな板を広げる作業スペースが狭いと作業効率が落ち、料理するのに時間がかかってしまいます。

現在のシステムキッチンは従来品に比べてシンクが大きく設計されており、その反動で作業スペースが狭くなっているケースがあります。

同じ幅のキッチンで交換しても作業スペースが手狭になる場合があるため、注意が必要です。

また、L型キッチンのコーナー部分はデッドスペースになりやすく、作業する場所を奪う原因になりかねません。

まな板を置いても余裕があるよう、作業スペースは最低でも60cmを確保しましょう。

収納スペースが足りない、使いにくい

キッチン収納の設計に失敗すると、使い勝手の悪いキッチンになってしまいます。

リフォームによって収納が使いづらくなった具体例は、以下のとおりです。

  • キッチン上部の吊り戸棚を撤去したら、収納量が足りなくなった
  • リビング側に食器を収納する棚を作りつけたが、キッチン側から取り出せない
  • 通路幅を拡張するため、カップボードの奥行きを狭くしたら大皿が入らなくなった

収納スペースの削減や移動は、すっきりした空間を演出するのに効果的な手段ですが、見た目を意識しすぎて機能性を損なわないように注意しましょう。

コンセントの位置が悪い、足りない

適切な量のコンセントが使いやすい位置に設置されていることは、快適な料理のために必要不可欠といえます。

調理家電の電源コードが届かなかったり、使いづらい位置に設置されていたりすると、日々のストレスの原因になるからです。

普段使っている炊飯器やコーヒーメーカーでも、リフォームによって収納する位置が変わるとコンセントまでコードが届かない可能性があります。

キッチンをリフォームした後にコンセントの位置を移動するのは、壁紙やキッチンパネルの補修工事が発生するため、余計な費用をかけずに済むようにしましょう。

キッチンの高さが合わない

出典:キッチンの上手な選びかた(2) – 基本構成・収納|LIXIL

キッチンの高さ選びに失敗した結果、体に負担がかかりやすくなったケースです。

たとえばキッチンの天板が低すぎる位置にあると前傾姿勢になり、腰を痛める原因となります。

反対に、作業スペースの位置が高すぎると肩や肘を持ち上げたままの姿勢となるため、肩こりや腕の疲労を感じやすくなります。

日々の負担を軽減するために、自分に合った高さのキッチンを選ぶのが重要です。

ゴミ箱を置く場所がない

メインのゴミ箱を、キッチンに設置している家庭も多いのではないでしょうか。

リフォームの際にゴミ箱の位置を確保しておらず、完成後に気づくパターンが増えています。

特に、分別の種類が多い地域では、ゴミ箱を設置する場所がなくなると非常に不便です。

カップボードの下の段を活用するなど、スペース確保に努めましょう。

出典:システムキッチン: カップボード|Panasonic

パントリーが使いにくい

普段使わない食材や備蓄の保管庫として注目されるパントリーですが、思いがけず使い勝手が悪くなったケースです。

たとえば、パントリーは深く作りすぎると、奥に収納したキッチン用品を取り出しづらく、かえって使いにくくなってしまいます。

ウォークインクローゼットのような設計のパントリーの場合は、人の入るスペースを収納として使えないため、空間に対しての収納量が下がる点も考慮しなければなりません。

パントリーを作る際は、設計前に実際のサイズをショールームで測っておくと、感覚との差が縮まりやすくなります。

冷蔵庫が入らない・出せない

普段動かすことのない、冷蔵庫に関する失敗です。

現在の冷蔵庫を基準にリフォームを進めた結果、いまより大きいサイズが入らなくなるケースがあります。

また、冷蔵庫の買い替えの際に、通路幅や配置によってはキッチンの隅から動かせないため注意しましょう。

既存の冷蔵庫のサイズだけで設計するのではなく、搬入や搬出を考慮した余裕のあるスペースを作るのが重要です。

フラット対面型にしたら手元が丸見えになった

フラット対面型のキッチンは、料理をしながら子どもの様子を確認できるのがメリットです。

しかし、目線を遮るものがなく、手元が丸見えになってしまうのはデメリットといえます。

デメリットを知らずに見た目だけで選ぶと、普段の片付けや手入れが煩雑になってしまうため押さえておきましょう。

汚れや傷、指紋が目立つ

材質や加工によって、以下のように汚れや傷、指紋が目立つ場合があります。

  • 人造大理石のシンクにコーヒーの染みがついた
  • ステンレスのシンクがへこんだ
  • キッチンの扉を光沢のあるカラーにしたら指紋が目立つ

毎日使うなかで細かい汚れや傷がつくのは自然なものの、すぐに目立つ材質を選んでしまうと手入れが大変になってしまいます。

キッチンを選ぶ際は種類ごとの特徴を踏まえた上で、自分に合う材質を選ぶようにしましょう。

費用を抑えすぎて満足できない仕上がりになった

リフォーム費用の削減を意識するあまり安っぽい仕上がりになり、満足できないリフォームになったケースです。

キッチンのリフォームには、本体以外にも以下の費用がかかる場合があります。

  • 壁・天井のクロス張り替え
  • 床の張り替え
  • カップボードの交換

費用を抑える目的で補修や既存品の再利用で済ませた結果、全体の印象がまとまらず、ちぐはぐな印象を受けることは少なくありません。

費用と仕上がりのバランスを取った上で、施工の範囲や内容を決定するのが適切です。

キッチンリフォームをする際のコツ

キッチンリフォームを成功させるコツは、以下のとおりです。

  • 「ワークトライアングル」を意識して動線を確保する
  • キッチンの最適な高さの目安は計算で求められる
  • 通路幅の適切な距離は80から90㎝
  • I型、L型のメリット・デメリットを知っておく
  • 壁付け、対面キッチンのメリット・デメリットを知っておく
  • 無駄な費用をかけない

それぞれ詳しく解説します。

「ワークトライアングル」を意識して動線を確保する

出典:使いやすいキッチンレイアウトの?つけ? わが家に?番フィットするレイアウト・収納・配置は?|キッチンな暮らし。

ワークトライアングルとは以下の3つを結んだ三角形です。

  • コンロ
  • シンク
  • 冷蔵庫

3辺の合計が510㎝程度になるのが使いやすい家事動線の目安とされています。

キッチンで良く使うエリアの動線を確保しておくと、作業効率がアップし料理にかかる時間を短縮できるでしょう。

気になる人は、まずは自宅のキッチンでワークトライアングルの長さを測ってみてください。

キッチンの最適な高さの目安は計算で求められる

高さの合わないキッチンを使い続けると、腰や肩に負担がかかりやすくなります。

最適なキッチンの高さは、ショールームで実物の前に立つのが一番わかりやすいですが、簡易的な目安は以下の式で計算できます。

「身長÷2+5㎝」

例:身長160㎝の場合、160÷2+5=85㎝

毎日使うキッチンだからこそ、数センチの違いでも大きな差となります。

キッチンにメインで立つ人の身長に合わせて、適切な高さを選びましょう。

通路幅の適切な距離は80から90㎝

キッチンとカップボードの最適な通路幅の目安は、80から90㎝です。

通路幅悪影響の例
狭すぎる・キッチン内で人がすれ違えない
・引き出し扉を開ききれない
・冷蔵庫が開かない
広すぎる・前後を移動するのに余計な歩数がかかる

特に、間取りを変更するリフォームや、奥行き60㎝のキッチンを65㎝に交換する場合に通路幅が変わりやすくなります。

使い勝手に影響が出るため、寸法を測っておきましょう。

I型、L型のメリット・デメリットを知っておく

キッチンの形状には、それぞれ以下のようなメリットとデメリットがあります。

キッチンの形状メリットデメリット
I型・シンプルで使いやすい
・スペースを有効活用できる
・横幅が広すぎると動線が悪い
L型・カウンターを大きくできる・コーナー部分がデッドスペースになりやすい

特に、I型からL型にリフォームしたい場合は、換気扇や配線関連の設置条件が厳しくなるため注意しましょう。

ショールームで同じサイズのキッチンがあれば、実際に立ってみて使用感をイメージするのがおすすめです。

壁付け、対面キッチンのメリット・デメリットを知っておく

形状の比較に加えて、キッチンの配置についてのメリット・デメリットも押さえておきましょう。

キッチンの配置メリットデメリット
壁付け・設置スペースをコンパクトにできる
・換気扇を設置しやすい
・リビングの様子がわかりづらい
・窓があると寒くなりやすい
対面・リビングにいる人とコミュニケーションが取りやすい
・開放感がある
・手元が見えやすい
・壁付けからの交換は費用がかさむ
・水はね、油はねが広がりやすい

近年では新築マンションで対面キッチンを採用する例が増え、それに伴いリフォームで壁付から対面式に変更する人は増えています。

配置を変更すると費用面にも影響が出やすいため、仕上がりのイメージだけでなく工事範囲や予算にも目を向けて検討するのが重要です。

無駄な費用をかけない

ここでいう「無駄な費用」とは、以下のような費用対効果の良くないオプションや追加工事を指します。

  • 水にこだわりがないのに水素水が出る浄水器をつける
  • 対面キッチンに変更するにあたって、換気扇ダクト用の大掛かりな工事が発生した
  • 最初からグレードの高いキッチンしか見ずに検討する

実用性の低い工事を取り入れてしまうと、リフォームしても費用対効果が下がってしまいます。

ショールームやリフォーム業者におすすめされた内容でも、見た目や機能に影響が少なければ、思い切ってなくしてしまうのもひとつの手段です。

この辺は素人では判断が難しいところですが、すべて業者の言いなりになっていると費用がかさんでしまいます。

無駄な費用をかけないためにも、自分に取って本当に必要かどうか冷静に判断しましょう。

もし知り合いに詳しい人がいるなら、第三者として冷静な意見をもらうのがおすすめですが、いない場合は「SUUMOリフォーム」などの無料相談窓口を利用してみるのも一つの手だと思います。

キッチンリフォームはDIYできる?

本格的なシステムキッチンを導入するのであれば、専門家であるリフォーム業者への依頼は必須です。

しかし、費用を安く抑えるために、DIYでキッチンのリフォームを検討する人もいるでしょう。

ここからはキッチンでDIYできる箇所や、注意点について解説します。

DIYでもできる箇所

キッチンのリフォームで、DIYできる箇所の例は以下のとおりです。

  • 壁や天井のクロス
  • 収納

両面テープの組み合わせて貼るなど、DIY用の壁紙は専用の道具がなくても使えるタイプが多く発売されています。

材料が安く手に入り施工の難易度は低いため、天井や壁は初心者にもおすすめのDIY箇所です。

また、DIYキットを利用すれば、棚やカウンターといったキッチン収納を簡単に作れます。

できる範囲は限られるものの、DIYはキッチンでもできるといえるでしょう。

業者に任せた方が安心な箇所

リフォーム業者に任せた方が安心な箇所には、以下のように専門知識が必要な設備が挙げられます。

  • コンロ
  • シンク
  • 換気扇
  • キッチンの組み立て

設備の交換には、有資格者でしか取り扱いできない工事が含まれる可能性があります。

施工の難易度は非常に高く、一般の人がDIYで対応するのは困難といえるでしょう。

毎日使う大切な場所だからこそ、経験豊富なプロに依頼するのが適切です。

DIYするときの注意点

キッチンをDIYするときの注意点は、法律や条例をきちんと確認してから作業に臨むことです。

規制を守らずにDIYしてしまうと、思わぬ事故につながる可能性があります。

たとえば、消防法によってコンロ周辺の壁は不燃材で覆うことが義務付けられています。

誤ってDIY用の壁紙を使用すると、コンロの火が引火して火災の原因になりかねません。

DIYの前に、法律や条例で定められている事項を必ず把握しておきましょう。

キッチンリフォームに関するよくある質問

ここからは、キッチンのリフォームでよくある質問について解説します。

戸建てとマンションでは費用が変わるの?

キッチンのリフォーム費用は、戸建てよりもマンションのほうが高くなる傾向にあります。

マンションは管理規約や構造による制限が多く、クリアするために工事範囲が広がる可能性があるからです。

特に「換気扇」と「給水・排水の配管」の位置は自由度が低いだけに、手を加えると費用が上がりやすいといえます。

マンションの制約の多さに関する特性として、押さえておきましょう。

キッチンのリフォームは何年くらいが目安?

キッチン全体をリフォームする目安は、15年から20年です。

部分ごとに交換するよりも、まとめてリフォームしたほうが費用を安く押さえられる可能性があるからです。

キッチンは15年程度使っていると、以下4つの設備の経年劣化や故障が目立つようになります。

  • コンロ
  • レンジフード
  • 水栓
  • 食洗機

劣化が進んだ部分ごとに交換するのも良いですが、ほかの設備も同様に経年の痛みが出ていると考えられます。

まとめて交換すると都度工事するのに比べて費用を押さえられるケースがあるため、15年程度でキッチン全体のリフォームを検討するのがおすすめです。

ショールームを見に行く際の注意点は?

ショールームで実物を見る前に、カタログでキッチンのシリーズや特徴を確認しておきましょう。

ショールームで案内される商品は、メーカーの意図が介入する場合があり、必ずしも自分にベストな選択肢とは限らないからです。

事前に知識を持っておくことで、案内に対して「カタログに載っていた〇〇で代用できるのでは?」といった考え方ができるようになります。

メーカーの多くは、インターネット上で見られるWebカタログを無料で公開しています。

ぜひショールームに行く前に知識をつけて、自分に一番合うキッチンを探してみてください。

まとめ

最新のキッチンは、掃除を楽にする機能や料理が楽しくなる仕掛けなど、生活を豊かにする工夫が詰まっています。

快適なキッチンにリフォームすることで、毎日の生活が楽しく、便利になる可能性があります。

キッチンの場合は予算に合わせて、優先度の高いところだけリフォームすることもできるので、現状のキッチンに不満がある人はぜひ一度検討してみてください。

なお、最近は為替などの影響でどんどん資材の金額が上がっているので、リフォームを検討している場合は早めに行動する方がよいと思います。

少しでも安くリフォームしたい場合は、複数の業者を比較して相見積もりするか、「SUUMOリフォーム」などの大手窓口を利用して、無駄のない自分に合ったリフォームができるように意識してみましょう。

目次
閉じる