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家を建てる際、3,000万円台の予算があったとしたら、どのような家が建てられるでしょうか?
建物分として3,000万円台の予算があり、広さの目安として35坪以下の家なら、大手ハウスメーカーや地元工務店など、好きな業者を選んで建てることができます。
あるいは二世帯住宅や3階建て住宅であっても、大手以外の業者を選べば対応可能です。今回は3,000万円台の家づくりについて詳しく解説します。
※【注目】アキュラホームの新商品!
アキュラホームに、税抜1,880万円~の新商品「超空間の家」がラインナップに加わりました。
災害に強く光熱費も抑えられるという注目の注文住宅なので、気になる人はチェックしてみてください。
予算3000万円台で家を建てる際の費用と内訳
注文住宅の価格は、大きく3つの項目から構成されています。
- 建物本体工事費用
- 付帯工事費用
- その他諸費用
3項目の具体的な内容や割合については、以下のグラフを見ると解りやすいと思います。
建物本体工事費とは、柱や梁の大工工事はもちろん、基礎や屋根などの躯体全体の工事費のことです。
外装や内装の仕上げから窓サッシに、バスルームなどの設備品まで、建物全体の工事や設備品が含まれているので、円グラフにあったように、総費用の7割程度がこの建物本体工事費になります。
これら3項目については、前回の「注文住宅2000万円台の家」で解説しているので、気になる方は参考に読んでみて下さい。
総額いくらになる?
坪単価70万円のハウスメーカーで35坪の家を建てると仮定した場合、工事費の総額はどれくらいになるのか試算してみましょう。
建物本体工事費 35坪×70万円(坪単価)=2,450万円
付帯工事費用 490万円
その他諸費用 245万円
合計 3,185万円
これがおおまかな建築費用の内訳となります。
さらに本体工事費などには消費税も掛かりますので、約300万円ほどが加算され3,500万円くらいの総費用だと思っておくのがよいでしょう。
ニ階建てより平屋のほうが割高
最近は若者世代にも平屋を希望するケースが増えています。
多くの人は二階建て住宅よりも平屋の方が割安で建てることができると考えていますが、実際には二階建てよりも平屋のほうが10%ほど建築費は割高になってしまいます。
平屋の方が割高になる理由としては、屋根や基礎の面積が大きくなることが挙げられます。
1階15坪、2階15坪の合計30坪のニ階建て住宅に比べ、同じく30坪の平屋では単純に屋根と基礎の面積がニ階建てより2倍必要になります。
この点を考えると、平屋より2階建ての家の方が予算的には計画しやすいと言えます。
3000万円台の家の間取り例(平屋・2階建て)
3,000万円台の予算があれば、目安として35~40坪くらいの家を想定することができます。
ローコスト住宅であれば、二世帯住宅や3階建て住宅でも十分に対応可能な予算です。
ここではいくつかの間取り例を挙げ、それぞれの特徴や注意点について解説するので参考にしてください。
また時間に余裕がある人は、ぜひ色々な住宅会社のカタログを取り寄せて間取りを比較してみて下さい。
家づくりで失敗しないためには、できる限りたくさんの間取り例を見て、自分が実際に住んでいる状況をイメージすることが大切です。
今回は3,000万円台の間取りを例に解説しますが、その前後の価格帯の間取りも見てみることで、新しい気づきがあるかもしれません。
カタログ自体は「LIFULL HOME’S」などのポータルサイトを使えば無料で取り寄せられるので、自分の予算に合わせたカタログを取り寄せてみましょう。
もし「自分ではまったく間取りのイメージがわからない」という場合は、NTTデータグループが運営する「HOME4U家づくりのとびら」もおすすめです。
専門アドバイザーにオンラインで無料相談ができますし、自分の希望にあった家づくりプランを提案してもらう事もできます。
※参考:予算ごとのカタログ特集ページ
・ローコスト住宅(1000万円台)
・2000~2500万円の住宅
・2500~3000万円の住宅
・3000~3500万円の住宅
・3500~4000万円の住宅
・オンライン相談をしたい場合
・家づくりプランを依頼したい場合
30坪~35坪のニ階建て
ハウスメーカー | セキスイハイム |
延床面積 | 116.35㎡(35.19坪) |
1階床面積 | 61.97㎡(18.74坪) |
2階床面積 | 54.38㎡(16.45坪) |
こちらの間取りは、まさに今どきのオーソドックスな4LDKの間取りだと思います。
1階には広いLDKと和室スペース、2階に主寝室と子ども部屋が2つあります。
LDKが広く開放的な点は魅力的に感じますし、2階の踊り場が広く取られているので、そのまま洗濯物を干せるサンルームとして使うことができます。
ただ2階にサンルームがあるのならここまで広いバルコニーが必要だったのかな?という思いもあります。
これはセキスイハイムならではの事情が絡んでいると推測できます。セキスイハイムはボックスタイプの部屋を組み合わせてつくっていくので、細かく間取りを区切ることができません。
そのため、2階の主寝室に大きめのウォークインクローゼットを設置したことで、サンルームもこの広さにするしか方法がなかったのでしょう。
これが間取りの自由度が高い木造住宅であれば、建物全体の広さをあと1坪~2坪ほど小さくすることができ、予算も抑えることができたように感じます。
30坪~35坪の平屋
ハウスメーカー | ダイワハウス |
延床面積 | 115.13㎡(34.82坪) |
ダイワハウスは平屋でも天井高を2m72cmにすることができるので、平屋住宅を検討しているのであればおすすめのハウスメーカーです。
LDK横にある小上がりの畳スペースも勾配天井ですが、4連天窓が設置されており開放感があります。
ロースタイルの書斎コーナーは隠れ家的な場所になっているので、趣味の読書を楽しんだり在宅ワークのスペースとしても使うことができます。
ダイワハウスらしさが反映されている間取りだと思います。
気になるポイントをあげるなら、洗面所スペースがやや狭いかなという感じでしょうか。
改善するにはトイレの位置を変更するのが一番です。玄関横にある主寝室のクローゼットをトイレに変更することで、洗面室とバスルームのスペースを広げることができます。
ただし、玄関横にトイレを持ってくることをあまり好ましく思わない人もいるので、そこが判断の分かれ目だと思います。
35坪~40坪のニ階建て
ハウスメーカー | セキスイハイム |
延床面積 | 130.18㎡(39.38坪) |
1階床面積 | 72.48㎡(21.92坪) |
2階床面積 | 57.70㎡(17.46坪) |
真っ先に目をひくのが美しい弧を描くボウウィンドウです。
間取り図をみるとわかりますが、曲線のボウウィンドウの横にあるLDK部分は大きな吹き抜けになっており、かなり開放感があります。
やはり40坪くらいの建物になると、1階も2階もかなり余裕がある広さの部屋を確保することができています。
一方で吹き抜け部分に1つ部屋をとり、玄関と和室の上部に部屋をつくらず部分二階にすることで、2階の床面積を大幅に削減するという選択肢もあります。
そしてもう1つ気になる点として、LDKの吹抜け部分に設置されている明かり採り(あかりとり)の大きな窓があります。
すごく見栄えが良くておしゃれだと思いますが、これは掃除をするのに相当苦労するのではないでしょうか。
35坪~40坪の平屋
ハウスメーカー | トヨタホーム |
延床面積 | 123.77 ㎡(37.4 坪) |
コロナ禍で家にいる時間が増えることによるストレスを軽減するため大きな吹き抜けを設置。
平屋でも吹抜け空間を作れることに驚かれる人も多いそうです。
さらに在宅時間が延びることで日用品等が増えても十分に収納できる大型のフラット収納とロフトが設置されています。
駐車スペースから屋内に配線が入っているので、災害時に家族と暮らしを守る非常時給電システムが搭載されているので安心です。
間取りの気になる部分を探そうと思ったのですが、本当によく考えられており、指摘するような箇所が1つも見つかりませんでした。
家族2人から3人で暮らすにはベストな間取りだと思います。
40坪以上の平屋
ハウスメーカー | トヨタホーム |
延床面積 | 147.39㎡(44.59坪) |
約45坪の平屋なので、各空間はゆったりした広さが確保できています。
特に目を引くのが玄関入ってすぐ広がる大空間のLDK、さらにLDKの西側にあるアウトドアリビングも個性的です。
リゾートホテルのような空間イメージしたそうで、室内もシックな色合いで統一されています。
インナーガレージを採用されているので、雨の日でも濡れることなく室内に入ることができます。また、インナーガレージから買い物した荷物を直接キッチンパントリーに運び込めるのも良い点です。
ただどうしても気になるのが、間取りにこだわりすぎたのか凹凸が多い所です。
建物の凹凸が増えると単純に建築費が上がってしまうので、予算を抑えたい方はなるべくシンプルな外観になるように間取りを考えなければなりません。
それと平屋なのに洗面室とトイレが2カ所設置されていることも気になりますし、西側洋室の入口ドアとウォークインクローゼットの入口ドアが重なっているのも少し使いづらい印象です。
二世帯住宅
ハウスメーカー | セキスイハイム |
延床面積 | 135.48㎡(40.98坪) |
1階床面積 | 70.13㎡(21.22坪) |
2階床面積 | 65.31㎡(19.76坪) |
二世帯住宅といっても同居タイプなので、建物の大きさも約41坪に抑えることができています。
これが独立型の二世帯住宅であればキッチンやお風呂も2つずつ必要なので軽く45坪は超えてしまい、3,000万円台の予算だと厳しくなってしまいます。
間取り図をみても広めの玄関とストレートな動線のキッチンがすごく使いやすそうですし、LDKも開放的です。
今回の間取りで気になる点は、二階にお風呂が設置されているので、親世帯が今後高齢になっていくにつれて階段の上り下りが大変になるのではないでしょうか。
お風呂は、なるべく1階に設置してあげるのが理想でしょう。
三階建て住宅
ハウスメーカー | セキスイハイム |
延床面積 | 128.64㎡(38.91坪) |
1階床面積 | 61.14㎡(18.49坪) |
2階床面積 | 51.00㎡(15.42坪) |
3階床面積 | 16.50㎡(4.99坪) |
約38坪の敷地に同じく38坪の三階建て住宅です。駐車スペースまで確保することが難しかったため、ビルトインガレージでの対応となっています。
都心部ではこのように敷地が30坪台のケースも多く、三階建て住宅のニーズが高くなっています。
3階建ての場合は必ず構造計算が必要になるので、2階建て住宅よりもかなり割高になってしまいます。
予算3,000万円台であれば延床面積は40坪以下に抑えるようにしましょう。
今回の間取りの注目ポイントは1階ガレージ横にあるアール構造部分で、お酒を飲みながら自慢の愛車を心ゆくまで眺めることができる設計になっています。
5人家族なのですがご主人の趣味部屋まで含めると6部屋もあります。
一番上の息子さんは中学生か高校生くらいなので、あと数年するとこの家を巣立ってしまう可能性が高いと思うので、少し部屋数が多いのかなという印象を受けました。
数年先の暮らし方を含めて考えることができれば、家族が希望していたホームパーティーができる広いLDKもあと少し広めに作れたのではないでしょうか。
そしてもう1点、全体的に開き扉が多いように感じます。2階トイレ横の洋室や1階洗面所の入口を開き扉ではなく引き戸にする選択肢もあると思います。
建築費用を抑えるためのポイントは?
このブロックでは建築費を抑えるためのポイントについて解説していきたいと思います。
できるだけ予算内に収まるよう、ぜひ参考にしてみてください。
外観はなるべくシンプルにする
上画像の2棟はどちらも一条工務店の家です。
仮にこの2棟がどちらも同じ30坪の家だとするなら、明らかに右側の家の方が建築費は高くなります。
理由は、左側の家は1階と2階の面積がほぼ同じ総二階なのに対し、右側の家は2階より1階の面積が広く、外観も凹凸が多く複雑な形をしているからです。
このように外観が複雑になればなるほど建築費は割高になるので、左側の外観のようにシンプルにすることで建築費を抑えることができます。
これは屋根も同じで、右側のように屋根が複雑な形状になれば費用も高くなってしまいます。
外溝は後でもできる
一般的な予算として家の外構工事には、1棟あたり80万円~150万円くらいの予算が組んであります。
外構工事の種類としてフェンスや門扉・門柱、アプローチのほかに、駐車スペースの舗装やウッドデッキの設置工事などがあります。
これら外構工事を最低限に抑え、残りは家の引き渡しが終わってからコツコツやっていくという節約方法もあります。
例えば駐車スペースを当初砂利にしておき、費用に余裕ができた時点でアスファルト舗装するなどです。
何でもハウスメーカー任せにしない
何でも全てハウスメーカー任せにせず自分たちでやれる事をやると、予想以上に建築費を抑えることができます。
例えばエアコンや照明などはハウスメーカーから薦められる商品ではなく、インターネットなどで自分たちで購入し、設置は大工さんにお願いする「施主支給」というやり方があります。
そしてウッドデッキなどもハウスメーカーに任せてしまうのではなく、地元のリフォームショップなどに見積を取ってみることです。
ハウスメーカーを通してしまうと全て中間マージンが発生するので当然高くなってしまいます。
しかし地元の業者に直接見積りを依頼することで、かなり安価になることが多いので是非試してみてください。
これはほぼすべての外構工事に該当します。
3000万円台で注文住宅が可能なハウスメーカー
実際に3,000万円台で注文住宅を建てることができるハウスメーカーを数社紹介します。
2,000万円台だと厳しかった積水ハウス、大和ハウス、住友林業、セキスイハイム、三井ホームなどの大手ハウスメーカーも対象になります。
もちろん、ここで紹介する以外にもたくさんのハウスメーカーや工務店があるので、色々な会社のカタログを比較して、自分の理想の家に近いところ探してみて下さい。
カタログは「LIFULL HOME’S」などのポータルサイトを使えば、地元工務店から大手ハウスメーカーまで、まとめて取り寄せることができるので便利です。
※参考:予算ごとのカタログ特集ページ
・ローコスト住宅(1000万円台)
・2000~2500万円の住宅
・2500~3000万円の住宅
・3000~3500万円の住宅
・3500~4000万円の住宅
・オンライン相談をしたい場合
・家づくりプランを依頼したい場合
アキュラホーム
アキュラホームは日本の伝統工法でもある「木造軸組工法」による自由設計を得意としているハウスメーカーで、キリンさんと暮らせる家というキャッチフレーズは斬新でした。
間取りの自由度が高い木造軸組工法を採用していることもあり、尺モジュールとメーターモジュールから好きな方を選べるパーソナルモジュールを採用しているのもアキュラホームの特徴です。
セキスイハイムや一条工務店などは、最小単位は45.5㎝でしか部屋の広さを変更することができないのですが、アキュラホームのパーソナルモジュールでは1㎜単位で空間づくりが可能です。
人気商品でもある「超空間の家」では、木造住宅では難しいと言われていた6m超えのワイドな大空間や約30帖の無柱空間までも実現できるようになりました。
アキュラホームの強み
アキュラホームの家は日本古来の在来工法でもある木造軸組工法によって建てられます。
昨今は木造建築のハウスメーカーの多くが地震に強いツーバイフォー構造やボックス構造によって建てられていますが、アキュラホームでは伝統的な在来工法で耐震等級は最高ランクの「耐震等級3」をクリアしています。
木造軸組工法というのは柱や梁で建物を支え、筋交いなどを配置することで外からの力に耐える構造となっています。
さらにアキュラホームでは一般的な耐力壁の4.5倍の強度を誇る「ストロングウォール」を採用することで耐震性の向上にも成功しています。
アキュラホームの弱み
アキュラホームでは断熱材に高性能グラスウールを採用しています。
高性能グラスウールは、細かなガラス繊維が絡み合った集合体になっており、その繊維の間に空気の層ができることで高い断熱性を発揮します。ただし、施工難易度が高く、雑な施工をしていると断熱効果は半減してしまいます。
アキュラホームの施工が雑と言う訳ではありませんが、最近ではグラスウールより施工が簡単で、断熱性も高い吹付断熱を採用しているハウスメーカーも増えています。
今後、アキュラホームで吹付断熱が採用されるか分かりませんが、今のところ弱みとして気になるのは断熱材くらいでしょうか。
積水ハウス
積水ハウスはオリジナル最強外壁材「ダインコンクリート」が高く評価されています。
軽量鉄骨がメインですが、重量鉄骨や木造住宅のラインナップも豊富で、あらゆる希望に見合うマイホームを建てることができます。
積水ハウスの平均坪単価は軽量鉄骨だと75万円ほど。35坪くらいまでの建物であれば予算3,000万円台に収めることができる計算です。
積水ハウスの強み
積水ハウスの強みは、建てた後のメンテナンス費用を大幅に抑えることができる点です。
外壁材も30年以上メンテナンスが不要なダインコンクリートを採用しています。
他社の外壁材は15年に1度は再塗装が必要で、これらに掛かる費用は70万円~100万円です。
予算3,000万円台だと、最初に少し無理してでも積水ハウスで家を建てることができれば、将来的なメンテナンスへの出費を大幅に抑えることができるので、他社より建築費が高くても検討する余地は十分にあります。
積水ハウスの弱み
一方で積水ハウスの弱みは、やはり建築費が高いという点です。
将来的なメンテナンス費用のことまで考え、積水ハウスでマイホームを建てたいと思っても、予算的に積水ハウスで建てることができない人もいます。
木材や設備類の価格が高騰していることもあり、坪単価が今後上がっていく可能性もあるので注意が必要です。
もし坪単価が90万円程度になると、予算3,000万円台で収めるには、付帯工事費や諸経費まで考えると30~32坪ほどの家が限界です。
ダイワハウス
積水ハウスの長年のライバルと言われてきたのがダイワハウスです。
積水ハウスと同じく軽量鉄骨の家がメイン商品ですが、木造の住宅商品も取り揃えています。
最近のテレビCMだと「天井が高い家」や「自給自足の家」というキャッチフレーズが印象的でした。
積水ハウスとは建物の外観デザインが異なる商品が多く、外観の好き嫌いで積水ハウスや大和ハウスを選ぶ人も少なくありません。
ダイワハウスの平均坪単価は軽量鉄骨だと70万円ほど。
40坪弱くらいの建物であれば予算3,000万円台に収めることができる計算です。
ダイワハウスの強み
ダイワハウスの強みといえるかわかりませんが、かなり値引きを頑張ってくれるハウスメーカーであるという点です。
予算3,000万円台であれば、ダイワハウスの坪単価だと35坪くらいの建物であれば十分可能ですが、邸宅シリーズなどのハウスペックス商品だと4,000万円を超えてしまいます。
しかし4,500万円くらいになっても諦めずに値下げ交渉してみる価値はあると思います。
ダイワハウスの弱み
一方でダイワハウスの弱みは、とにかくノルマが厳しく営業マンが契約をせかしてくれる点です。3,000万円台の予算は大手ハウスメーカーでいうと、決して十分な予算額ではありません。
そこをついて決算期になると営業マンからの押しが強烈になります。極端な例だと間取りも見積りを決まってない状態で契約するように迫ってきます。
ここで甘い言葉に負けて契約してしまうと後悔してしまいます。大幅な値引きは嬉しいですが、契約するのであれば、間取りや見積書の提示など、ある程度話が進んでいる状態でのみ検討できます。
一条工務店
住宅業界においてここ数年、勢いにのって業績を伸ばしているのが一条工務店です。
長く国内ナンバー1だった積水ハウスを着工棟数で抜いてしまったのですから、これには正直驚きました。
一条工務店を支えているのが「I-smartⅡ(アイスマートⅡ)」と「I-cube(アイキューブ)」の2商品です。この2商品の大きな違いは外壁の素材と窓の大きさです。
アイスマートでは一条オリジナルのハイドロテクトタイルが標準になっていますが、アイキューブはサイディングです。
アイキューブでは気密性を高めるため大きな窓を設置することができないという違いがあります。
アイスマートⅡの坪単価は平均72万円、アイキューブの坪単価は平均65万円ほどのようです。
そのため3,000万円台で建てる場合、アイスマートだと35坪~40坪、アイキューブなら40坪を少し超えても予算内に収まりそうです。
一条工務店の強み
一条工務店の強みは、国内トップクラスの断熱性が高い家を低予算で建てることができる点です。
積水ハウスや住友林業と比べても、40坪の家であれば価格差は1,000万円ほど違ってきます。
一条工務店が性能の高い家を低コストで提供できるのは、積水ハウスやダイワハウスのようにテレビCMなどの宣伝広告費をほとんど使っていないこと。
また、システムキッチンや窓サッシなど、ほとんどの設備品を自社工場で製造しているからです。
3,000万円台と限られた予算で高性能なマイホームを建てたいのであれば、候補には入れておきたい1社で間違いありません。
一条工務店の弱み
一方で一条工務店の弱みは、自社独自の一条ルールというものが存在していることです。
一条ルールは建物の構造や仕様だけでなく、建築スケジュールや支払い方法まで細かく決められており、ほぼ変更することはできません。
そして値引き交渉に関しても、ほぼ値引き交渉には応じてくれません。
またキッチンやお風呂などの設備類は一条オリジナルブランド商品が標準仕様になっています。
これをTOTOやINAXなど、有名メーカーの商品に変更しようとすると割高なオプション費用がかかるので、予算3,000万円台だと大きなダメージになってしまいます。
このようにすべてが一条工務店のペースで家づくりを進めることになるので、そこを理解したうえで契約しなければなりません。
住友林業
木造住宅といえば住友林業と言われるほど、高い知名度と実績がある木造住宅に特化した大手ハウスメーカーです。
日本国内だけでなく、海外にも広大な社有林を保有しており、木にこだわった家づくりを得意としています。
住友林業の坪単価は平均80万円ですので、木造住宅としてはかなり高額になっています。
予算3,000万円台だと35坪くらいまでで考えておきましょう。
住友林業の強み
住友林業の強みは、一般的な木造住宅よりも太い柱を使った「ビッグフレーム構法」を採用しており、鉄骨住宅並みの大開口を実現することができます。
住友林業は間取りの提案力にも定評があります。
予算3,000万円台だと家の大きさは30~35坪ほどになり、間取りの提案力によって大きな差が出てしまいます。
社内評ですが、住友林業の設計満足度は97.9%と高く評価されています。
住友林業の弱み
一方で住友林業の弱みは外構工事が他社に比べて割高な点です。
3,000万円台という限られた予算内で資金計画している人にとって、外構工事費が高いのはかなりの痛手となります。
住友林業では「住友林業緑化株式会社」に外構工事の依頼をします。
同じ外構工事の内容でありながら、提示された見積額が100万円ほど高かったという話はよく耳にします。
もちろん、外構工事を別の業者に依頼することもできるのですが、そうなると住宅ローンに組み込めなかったりするので注意が必要です。
セキスイハイム
冬になるとセキスイハイムの家が良く売れるという話を聞いたことがあるのですが、やはり「あったかハイム」というテレビCMの影響が大きいように感じます。
セキスイハイムが得意としているのは、大容量の太陽光発電を搭載した「自給自足型住宅」です。
セキスイハイムの坪単価は平均70万円です。35坪を少し超えても予算3,000万円台に収めることができそうです。
セキスイハイムの強み
セキスイハイムの強みは、ほぼすべての家に太陽光発電システムを搭載している点です。
最初から提示される見積り額には太陽光発電システムの設置費まで含まれているので、そう考えると70万円台の坪単価もそう高く感じません。
また、太陽光システムを搭載することで余った電力を売電することができ、その収益を住宅ローンの支払いにまわせるのも大きなメリットの1つです。
セキスイハイムの弱み
一方でセキスイハイムの弱みは、ボックス型の箱を組み合わせてつくるユニット工法を採用しています。
そのため木造住宅に比べて間取りの自由度は低くなるだけでなく、本来は必要のない場所にまで床を作らなければならず、必然的に床面積が増えてしまいます。
床面積が増えると当然、建物の建築費も割増しになります。
3,000万円台と予算が限られている場合、これはかなり大きなデメリットになります。
土地込みの3000万円で家は建てられるのか?
ここまでは「家の建築費用」だけという前提で、3,000万円台のマイホーム作りについて話をしてきました。
しかし中には、「土地まで含めて3,000万円台で納めたい」と考える人も多いはずです。
土地代が加わることで、予算の内訳がより複雑になりますので、いくつか実例を想定して解説したいと思います。
土地込み3000万円台の参考例①
高い人気の一条工務店のI-cube(アイキューブ)を例に考えてみましょう。
アイキューブの平均坪単価は65万円でしたので、35坪の建物で試算します。
建物に掛かる費用ですが、冒頭で解説したように「建物本体工事費(70%)」+「付帯工事費(20%)」+「その他諸費用(10%)」の3つから構成されています。
建物工事費 35坪×65万円=2,275万円
付帯工事費 2,275万円×20%=455万円
諸費用 2,275万円×10%=227万円
上記の合計が2,957万円ですが、これに消費税を加算すると約3,250万円が建物に掛かる総費用となります。
3,000万円台で収めるには、土地代金を総額750万円以内にする必要があります。
仮に700万円の土地を購入すると費用は以下のようになります。
土地代 700万円
仲介料 30万円
諸経費 25万円
土地代の合計は755万円となるので、ぎりぎり3,000万円台という予算になります。
ですが、本当にギリギリの予算なので、なるべくなら建物を33坪程度に抑えておくのが賢明な判断だと思います。
土地込み3000万円台の参考例②
今回紹介したハウスメーカーの中でも一番高額だった積水ハウスだとどうでしょう。
坪単価75万円で試算してみたいと思います。
坪単価65万円の一条工務店でも35坪が限界でしたので、今回は30坪のニ階建て住宅の予算を見てみましょう。
建物工事費 30坪×75万円=2,250万円
付帯工事費 2,250万円×20%=450万円
諸費用 2,250万円×10%=225万円
上記の合計が2,925万円ですが、これに消費税を加算すると約3,210万円が建物に掛かる総費用となります。
一条工務店の35坪とほぼ同じくらいの予算ですので、700万円までの土地であれば予算3,000万円台でぎりぎり収まることがわかります。
土地込み3000万円台の参考例③
では最後にローコスト住宅でも試算してみたいと思います。
坪単価45万円のタマホームで建物35坪と建物50坪で見てみましょう。
建物工事費 35坪×45万円=1,575万円
付帯工事費 1,575万円×20%=315万円
諸費用 1,575万円×10%=157万円
35坪の建物であれば総額2,047万円です。
消費税まで含めても2250万円くらいで収まるので、土地代として1,650万円ほど見ておくことができます。
建物工事費 50坪×45万円=2,250万円
付帯工事費 2,250万円×20%=450万円
諸費用 2,250万円×10%=225万円
50坪の建物だと総額2,925万円です。
消費税まで含めると2,250万円となるので、先ほどの一条工務店や積水ハウスと同じように土地は700万円以内で見つけなければなりません。
まとめ
今回は予算3,000万円台で家を建てる場合のポイントについて解説しました。
3,000万円台であれば、積水ハウスや住友林業のような大手ハウスメーカーでもマイホームを建てることができます。
ただし建物の大きさは35坪~40坪くらいにしておき、さらに大きな家を希望するのであれば坪単価65万円以下の住宅会社を探すことをおすすめします。
土地からの購入で予算3,000万円台と考えるのであれば、大手ハウスメーカーだと土地代は700万円以内。
それより高額な土地を購入するのであれば、ローコスト住宅や地元工務店という選択肢を考えていくとスムーズに予算計画がまとまると思います。
今回紹介した以外にもたくさん候補となるハウスメーカーや工務店があるので、希望に近い家が見つかるまで、じっくりとカタログを調べて、後悔の無い家を建てましょう。
3,000万円台以外にも、予算別に間取りを解説したページがあるので、気になる人はぜひ参考にしてください。
※予算別の間取り解説ページ一覧
・ローコスト(1000万円台)の間取り例
・2000万円台の間取り例
・4000万円台の間取り例
・5000万円台の間取り例
・各ハウスメーカーの坪単価ランキング