地震に強いハウスメーカーはどこ?耐震等級や間取りで選ぶおすすめランキング

[PR]

地震の多い日本でマイホームを建てる際には、「地震に強い家にしたい」と考える人が多いです。

地震に強い家の目安となるのが「耐震等級」ですが、具体的にどのような家なら安心なのか・どのハウスメーカーなら地震に強い家が建つのかを見極めるのは、簡単ではありません。

そこで今回は、耐震等級の基礎知識や地震に強いハウスメーカーを解説します。

地震に強い家の構造や工法の違い、住宅会社選びのチェックポイントも説明しますので、安心安全な家づくりの参考にしてください。

※【注目】アキュラホームの平屋住宅

アキュラホームに、3LDKで税抜1,590万円~の「超空間の平屋」があります。

こちらは、補助金最大100万円の「子育てエコホーム支援事業」対象。

補助金は先着順でなくなり次第終了なので、気になる人は早めのチェックがおすすめです。

目次

耐震等級とは?何級が必要なのか

住まいの耐震性を表す際にでよく使われる「耐震等級」。

ハウスメーカーや工務店のホームページなどでも、「地震に強い耐震等級3の家」という説明を見かけます。

まずは耐震等級が何を表す指標なのか、何級だと安心できるのかをみてみましょう。

耐震等級の基礎知識

出典:大栄建設株式会社

耐震等級とは、「建物がどのくらい地震に強いのか」を示す指標の一つで、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)によって、2000年に制定されました。

耐震等級は1〜3までの3段階に分けられていて、専門家だけでなくだれでも住まいの耐震性を判断できる指標として広く使われています。

それぞれの等級がどのくらい地震に強いのかを見てみましょう。

耐震等級1

耐震等級1は、次のような耐震性があることを示します。

  • 数百年に1度の頻度で発生する地震(震度6強〜7相当)が起きても、住宅が倒壊・崩壊しない程度
  • 数十年に1度の頻度で発生する地震(震度5強相当)が起きても、住宅が損傷しない程度

耐震等級1は、震度6〜7相当の大地震にも1度は耐えられる程度の耐震性です。

ただし、繰り返し地震が起これば倒壊する可能性があり、余震に耐えたとしても大規模な修繕や建て替えが必要になる可能性が高いと考えられます。

なお現在の建築基準法では、最低でも耐震等級1をクリアしなければ、住宅を建てられません。

耐震等級2

耐震等級2は、耐震等級1の1.25倍の耐震性があることを示しています。

震度6〜7相当の大地震にも耐えられる耐震性であり、一部の補修を行えばそのまま住み続けられる可能性が高いと考えられます。

長期優良住宅として認定されるには、耐震等級2以上であることが必須。

災害時の避難場所として指定される学校・病院などは、耐震等級2以上でなければならないと定められています。

耐震等級3

耐震等級3は、耐震等級1の1.5倍の耐震性があることを示しています。

耐震等級の中でもっとも高いレベルであり、震度6〜7相当の大地震が起きても倒壊・崩壊しないのはもちろん、わずかな修繕のみで済む可能性が高いと考えられます。

災害復興の重要な拠点となる官庁・警察署・消防署などは、耐震等級3をクリアしているケースが多いです。

耐震等級別のハウスメーカーリスト

次に、大手ハウスメーカーの耐震等級を見てみましょう。

耐震等級工法・構造ハウスメーカー
耐震等級3木造軸組工法積水ハウス・住友林業・アキュラホーム・タマホーム
木造枠組壁工法三井ホーム・住友不動産・一条工務店
木質系ユニット工法セキスイハイム
軽量鉄骨造積水ハウス・セキスイハイム・ダイワハウス・トヨタホーム
重量鉄骨造ヘーベルハウス・旭化成ホームズ
鉄筋コンクリート造大成建設ハウジング・三菱地所ホーム
耐震等級3相当木造軸組工法アイフルホーム
耐震等級2木造枠組壁工法スウェーデンハウス

こうして見ると、ほとんどのハウスメーカーが耐震等級3となっているのが分かるかと思います。大手の有名ハウスメーカーの他、ローコスト住宅で人気のアキュラホームも耐震等級3となります。

ただし、選ぶ商品や間取り・仕様などによっては耐震等級が変わるケースももちろんあるので、上記は一つの目安として考えて下さい。

実際の耐震等級については、ハウスメーカー側に確認しながら家づくりを行いましょう。

地震に強いハウスメーカーのおすすめランキング

ここからは、地震に強い構造・工法にこだわっているおすすめのハウスメーカーを紹介します。

どのハウスメーカーも「耐震等級3」ですが、それぞれ耐震性能を高める独自の技術を採用しているので、違いを比較してみましょう。

ちなみに1つのハウスメーカーの中でも、価格帯(グレード)別に複数のシリーズがあるため、順位は参考程度に考えて下さい。

どのハウスメーカーが自分の理想に近いかは、実際に展示場へ行ったり、しっかりカタログを見比べて判断することをおすすめします。

同じ「耐震等級3」でも、それぞれのハウスメーカーごとにこだわりがあるので、1社だけではなく複数のメーカーのカタログを取り寄せて特徴を調べるのが失敗しないためのコツです。

※参考:予算ごとのカタログ特集ページ
ローコスト住宅(1000万円台)
2000~2500万円の住宅
2500~3000万円の住宅
3000~3500万円の住宅
3500~4000万円の住宅
4000万円以上の住宅

ヘーベルハウス

出典:へーベルハウス

ヘーベルハウスの2階建て住宅は「ハイパワード制震ALC構造」が採用されていて、エネルギー吸収力に優れた制震フレームによる制震構造が標準仕様です。

3階建て住宅は「重鉄制震・システムラーメン構造」で、高層ビルなどに使われている制震技術「オイルダンパー」を住宅用にカスタマイズした「サイレス」が搭載されています。

また、実大振動実験は建物のみで行うのが一般的ですが、ヘーベルハウスは“基礎付き”で実験を行っていて、「建物だけでなく基礎も含めて壊れない」ということが実証されています。

→ヘーベルハウスの間取りや坪単価の解説はこちらのページへ

積水ハウス

出典:積水ハウス

積水ハウスは鉄骨造と木造、どちらの構造も地震に強い設計で建てているハウスメーカーです。

鉄骨造1・2階の住宅には、「ダイナミックフレーム・システム構造」を採用し、耐震性と間取りの自由度を両立。

木造住宅には独自の木造軸組工法「シャーウッドハイブリッド構法」を採用して、地震による変形を抑えつつ、開放的な空間の実現を可能にしています。

阪神淡路大震災・東日本大震災・熊本地震において、被災エリアに建つ積水ハウスの住宅は全壊・半壊がゼロだったそうです。

→積水ハウスの間取りや坪単価の解説はこちらのページへ

ダイワハウス

出典:ダイワハウス

ダイワハウスの鉄骨造住宅は、独自のエネルギー吸収耐力壁「ディーネクスト」を標準搭載して、震度7クラスの地震に連続して耐えられる頑丈さを実現。別名「持続型耐震構造」とも呼ばれています。

さらに地震による揺れ幅を軽減して、建物の揺れを早く収束させることで、外壁や構造体の損傷を最小限に抑えます。

2016年の熊本地震で震度7クラスの地震が繰り返し起こったケースを考えると、連続して耐えられる強靭さ、最小限の修繕で住み続けられる安心さは大きいのではないでしょうか。

→ダイワハウスの間取りや坪単価の解説はこちらのページへ

セキスイハイム

出典:セキスイハイム

セキスイハイムでは住まいをユニット単位に分割して、品質管理の徹底された工場で精密につくり込む、独自の「ユニット工法」を採用しています。

建物のベースとなるのは、柱と梁を溶接し一体化したユニットを積み重ねた「ボックスラーメン構造」。

高層ビルなどに用いられる建築技術を応用して、住まいの耐震性を最大限高めています。

また、地震エネルギーを“粘り”で吸収するユニット構造体と、一般の耐力壁を越える強度で揺れを軽減する高性能な外壁を組み合わせた技術を採用。

さまざまな揺れを想定した実大振動実験を行い、万が一の巨大地震にも耐えうる耐震性・耐久性を実現しています。

ただしユニット単位で工場生産されるため、間取りの自由度が低い点はデメリットといえるでしょう。

→セキスイハイムの間取りや坪単価の解説はこちらのページへ

三井ホーム

出典:三井ホーム

三井ホームの住まいは、地震の力をバランスよく分散・吸収する「プレミアム・モノコック構造」。

基本となる枠組と面材で形成された床・壁・屋根の6面体で構成されていて、スペースシャトルや航空機と同じ構造です。

1階から2階に揺れが伝わりにくいうえに、家具に伝わる力も抑制するので、家具の転倒も少なく下敷きになるなどの2次被害を回避できます。

耐震実験では、プレミアム・モノコック構造で建てた家に震度7の揺れを連続60回与えても耐え抜き、構造躯体の強さを実証しました。

→三井ホームの間取りや坪単価の解説はこちらのページへ

一条工務店

出典:一条工務店

一条工務店は三井ホームと同じく、地震の揺れを面でバランスよく受け止め分散させる「ツインモノコック構造」を採用しています。

また耐震等級3を標準仕様としているのはもちろん、地盤の強度にあった適切な基礎を選定。

耐震性を高める耐力壁をバランスよく配置し、大地震が起こっても住まいのゆがみやねじれを最小限に抑制します。

→一条工務店の間取りや坪単価の解説はこちらのページへ

ローコスト住宅版おすすめランキング

近年はローコスト住宅が人気を集めていますが、「ローコストだと耐震性が低いのでは?」と心配する人もいるでしょう。

しかし実際には、耐震等級3の家を建てるローコスト住宅メーカーは多いので、「ローコスト=地震に弱い」というわけではありません。

ただし、すべての会社が“標準仕様”で耐震等級3の家をつくっているわけではなく、耐震等級3にするならオプション扱いで別途費用がかかるケースも多いです。

このブロックではローコスト住宅で地震に強い家を建てるハウスメーカーをいくつか紹介するので、選ぶ際の参考にしてもらえばと思います。

アキュラホーム

出典:アキュラホーム 

アキュラホームの家は「耐震等級3」です。

ローコスト住宅で耐震等級3を実現するためアキュラホームが採用した3つのポイントがあります。

①接合部 木造軸組工法の弱点である結合部を強固にする 「メタルウッド工法」
②床 家のねじれを抑え、耐震性を高める「トリプルストロング床」 
③壁 業界最強の壁! 独自開発 「8㌧壁」【特許出願中】

アキュラホームでは、これまでに日本で発生した全ての震度7の地震、今後起こることが想定されている大地震など、様々な地震の衝撃を加える実代実験を繰り返し実施しています。

それら実験の結果においても、アキュラホームの建物は構造体や内装材にも損傷がなく、大地震のあとも「住み続けられる住まい」であることが証明されています。

アキュラホームの地震に対する取り組みは保証会社からも高く評価されており「地震建替保証」が実現しました。

一般的な地震保険では「火災保険額の最大50%」が保証上限となりますが、アキュラホームの「地震建替保証」だと新築後10年間、地震による修繕や建替えの費用を「建物販売価格100%」まで限度額として保証してくれます。

→アキュラホームの間取りや坪単価の解説はこちらのページへ

タマホーム

出典:タマホーム

タマホームの家は「耐震等級3」です。

タマホームでは日本古来の木造軸組在来工法が採用されていますが、建物全体を底面でしっかりと支えるベタ基礎工法を標準で採用しています。

さらに建物の四方を囲む耐力面材によって建物全体を一体化することで、地震や台風に対する建物の強度をアップさせ、外部からの力を建物全体へ分散させることで高い耐震性を実現しています。

タマホームの家がどのくらい地震に強いのか確かめるため、定期的に実代実験をしている点も高く評価できます。

→タマホームの間取りや坪単価の解説はこちらのページへ

アイフルホーム

出典:アイフルホーム

アイフルホームの家は「耐震等級3相当」です。

ここで注目して欲しいのがローコスト住宅などで多く使われる「相当」という言葉です。

「耐震等級3」と「耐震等級3相当」の違いですが、「耐震等級3」は専門機関によって正式に認められているのに対し、「耐震等級3相当」は住宅会社が自ら宣言している文言になります。

両者に違いに関しては、記事後半でまとめているので、気になる人は読み進めてもらえばと思います。

アイフルホームの家はテクスター金物や剛床工法など、壁や柱を強化することで建物全体の耐震性を上げています。

さらに建物内部には、制震装置イーバスを搭載することで地震エネルギーを1/2に抑えることができ、繰り返し起こる地震にも備えることができます。

→アイフルホームの間取りや坪単価の解説はこちらのページへ

その他のローコスト住宅メーカーの耐震等級一覧

ハウスメーカー耐震等級
ヤマダホームズ耐震等級3
ユニバーサルホーム耐震等級3
レオハウス耐震等級3相当
クレバリーホーム表示なし

多くのローコスト住宅を「耐震等級3」や「耐震等級3相当」としましたが、公式サイトにて公表されているケースは少なく、今回の数値は住宅会社の社員さんのブログや実際に建てられた人の口コミなどを参考にさせて頂きました。

そんな中でもアキュラホームとタマホームは、しっかり公式サイトにて標準仕様にて「耐震等級3」と記載があることは高く評価できます。

耐震等級表示がない家は大丈夫なの?

上記の表で、クレバリーホームの耐震等級は「表示なし」となっています。

これはローコスト住宅に限ったことではありませんが、ハウスメーカーによっては耐震等級を公開していない会社も多くあります。

耐震等級を公開していなくても、建築基準法によって耐震等級1以上の家でなければ建築許可を取ることはできませんので、最低でも耐震等級1以上であることは保証されています。

クレバリーホームなどの耐震等級については、ネットで検索すると「耐震等級2」や「耐震等級3相当」という表示も目につきますが、フランチャイズ制を導入していることで、各加盟店にて建物の標準仕様に違いがあるように感じられました。

また耐震等級表示なしのクレバリーホームでも、「お客さまの希望によっては耐震等級3にも対応可能」との記載があります。

ホームページやカタログで耐震等級が公開されていない場合は、住宅展示場で担当営業にしっかり確認してください。

とはいえ、耐震性を重視してハウスメーカーを選びたいなら、やはり自信を持って耐震性能(耐震等級)を公表している会社の方が安心できるのは間違いないでしょう。

※ローコスト住宅に興味がある人は、「1000万円台のローコスト住宅」をあわせてチェックしてみてください。建てる際の注意点などをまとめていて、安く家を建てたい人の参考になると思います。

地震に強い家とはどんな家か?

一言で「地震に強い家」といっても、具体的にはどのような家が地震に強いのでしょうか。

次の4つの視点から耐震性について考えてみましょう。

家の形について

一般的には、「シンプルで正方形に近い形」が地震に強いといわれています。

縦と横・上と下の6つの面が一体となって支え合えるため、地震のエネルギーが壁面や地面にスムーズに流れて、地震に耐えやすくなるからです。

一方凹凸の多い複雑な形の住宅は、地震のエネルギーが部分的に集中しやすくなるため、ねじれやゆがみが生じやすいです。

また1階が駐車場になっている間取りや、2階部分が左右どちらかに片寄っている形も、地震に弱いといわれています。

構造や工法について

戸建て住宅の構造は、おもに「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」の3種類。これらの構造を作る工法もいくつかあり、それぞれ耐震性が異なります。

ここでは用いられることが多い構造・工法別に、耐震性の特徴を紹介します。

木造軸組工法

木造軸組工法は、柱と梁を組み合わせて骨組みをつくる工法です。

現在の日本ではもっとも多く採用されていて、在来工法とも呼ばれています。

点を結ぶように骨組みをつくり、耐震性を高めるために柱と柱の間に筋交い(すじかい)という補強材を入れます。

次に紹介する木造枠組壁工法が耐震性に優れていることから、「木造軸組工法は耐震性が低い」というイメージもありますが、実際には木造軸組工法で耐震等級3をクリアしているハウスメーカーも多いです。

木造枠組壁工法

木造枠組壁工法は、別名「2×4(ツーバイフォー)工法」「2×6(ツーバイシックス)工法」とも呼ばれ、海外の木造住宅に多く採用されている工法です。

2×4インチ(2×6インチ)の木材で枠組みをつくり、この枠組みに構造用面材を接合して、壁・床・天井などを組み立てていきます。

既成サイズの角材と面材を組み立てていくという単純な工法なので、職人の技術に左右されないのが特徴。つまり、安定した耐震性が保たれることを意味します。

「点」で住まいを支える木造軸組構法とは違い、木造枠組壁工法は住まいを「面」で支えるため、木造住宅のなかでもより地震に強い家を建てられます。

一方で、面と面を組み合わせるつくりなので、木造軸組工法よりも間取りの自由度が低いという側面もあります。

鉄骨造

柱や梁などの骨組みを木材でつくる木造に対して、鉄骨造は骨組みに鋼鉄を使用している建物です。

「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」があり、使用される鋼材の厚さが6mm以下の場合は軽量鉄骨造、6mmを超える鋼材を使用したものが重量鉄骨造です。

一般的に戸建て住宅に用いられるのは軽量鉄骨造で、木造と比べると強度が強く、耐震性や耐久性に優れているのが特徴。

一方鉄骨造は、火災などで鉄骨の温度が上昇すると強度が低下して、変形しやすくなるという性質があります。

鉄筋コンクリート造

鉄筋コンクリート造は、その名のとおり鉄筋とコンクリートを組み合わせてつくる建物です。

鉄骨造は火災に弱いのに対して、鉄筋コンクリート造は鉄筋をコンクリートで覆うため、耐震性はもちろん耐火性にも優れているのが特徴です。

ただし木造や鉄骨造に比べると建築コストが高額なため、一般の戸建て住宅で採用されるケースは多くありません。

土地(地盤)について

住まいの耐震性を考える上では、建物だけでなく土地(地盤)の強さも重要です。

いくら建物の耐震等級が高くても、地盤が強くなければ地震の被害を受けやすいからです。

とくに、もともと川や海岸・田畑などがあった場所は地盤が軟弱なため、適切な改良工事を行わないと地震などの自然災害で沈んでしまう可能性があります。

日本では3件に1件ほどは地盤改良が必要という調査結果もあり、たとえ隣の家が良好な地盤だったとしても、周辺の地盤が同じように良好とは限りません。

家を建てる前には必ず地盤調査を行い、その結果に基づいた適切な改良工事を行い、耐震性を最大限高めるのがポイントです。

家の階数について

家の階数から耐震性を考えると、「平屋住宅」は2階建て・3階建てと比べて地震の揺れが少ないといわれています。

家の形もより正方形や長方形などシンプルになることが多く、耐震構造も作りやすいです。

とはいえ、平屋ならどのような家でも地震に強いかというと、そうではありません。

平屋でも2階建て・3階建てでも、結局のところは耐震性を考えた構造や工法が重要になります。

また、土地の大きさや家族の人数などによって、現実的には複層階住宅を選ぶケースが多いでしょう。

平屋でなくても地震に強い家はつくれるので、信頼できるハウスメーカー・工務店をしっかり見極めることが大切です。

住宅会社を選ぶときのチェックポイント

次は、地震に強いハウスメーカーや工務店を選ぶ際のチェックポイントを解説します。

構造・工法

住宅会社によって採用している構造・工法はさまざまです。

一言で木造住宅といっても、「木造軸組工法」や「木造枠組壁工法」などがあり、耐震性以外にもそれぞれメリット・デメリットがあります。

いくら地震に強い家でも、希望の間取りやデザインが叶わなければ、住まいの満足度は下がってしまいます。

そのため耐震性だけでなく、マイホームへのこだわりも両立できる構造・工法を選ぶことが大切です。

どの住宅会社もホームページやカタログで「地震に強い家づくり」について説明しているので、じっくり比較してみましょう。

耐震等級

耐震構造についてすべて理解するのは専門家でなければ難しいことも多いため、耐震等級を一つの目安に住宅会社を選ぶことをおすすめします。

今回の記事でも耐震等級別にハウスメーカーを紹介していますので、自分が求める耐震等級で家を建てられる住宅会社を探しましょう。

価格

住まいの耐震性を高めれば高めるほど、建築コストも比例して高くなります。

いつか来るかもしれない地震に備えて耐震性を追求したとしても、住宅ローンの返済で家計が苦しくなってしまっては本末転倒です。

家づくりにかけられる予算と耐震性のバランスを考えて、自分に合った価格で地震に強い家を建てられる住宅会社を選びましょう。

保証・アフターサービス

住宅会社の保証やアフターサービスも、地震に強い家づくりには大切な要素です。

定期的な点検はもちろん、必要なときに適切な修繕を素早く行うことが、地震などの自然災害から家を守ることにもつながるからです。

保証やアフターサービスは住宅会社によって期間・内容が異なるので、じっくり比較することをおすすめします。

よくある質問

最後に、地震に強い家についてよくある質問をまとめしたので、家づくりの参考にしてください。

耐震住宅、制震住宅、免震住宅の違いは?

地震に強い家を目指している人は「耐震住宅」「制震住宅」「免震住宅」という言葉を見かけるかと思います。それぞれどのような違いがあるのでしょうか。

種別内容
耐震住宅建物そのものの強度で、地震の揺れに耐える住宅
制震住宅建物に組み込んだ“制震装置”で地震のエネルギーを吸収し、地震の揺れを抑制する住宅
免震住宅建物の基礎部分に架台を組み、ゴムなどを入れて建物と地盤を切り離して、建物に直接揺れを伝えない住宅

日本では建築基準法によって耐震等級1以上でなければいけないと決まっているので、どのハウスメーカーで建てても「耐震住宅」です。

ただし大地震が起きても“倒壊しない”ことを目的としているので、揺れは建物に直接伝わります。

地震の大きさによっては、建て直さなければならないほど大きく損傷したり、家具が倒れて人が下敷きになってしまったりする可能性があるのです。

一方、「制震住宅」や「免震住宅」は特殊な装置を使って、住宅に与える揺れを抑えたり、直接伝わらなくしたりする住宅です。

その分住まいが受ける損傷は少なく済むことが多く、「耐震住宅<制震住宅<免震住宅」の順で耐震性がより優れているといえます。

ただし、制震住宅にするには50〜100万円ほど、免震住宅にするには250〜350円ほどの別途工事費がかかるのが一般的です。

「ガル」って聞くけどどんな意味?

地震に強い家づくりを説明する際に、ハウスメーカーが「ガル」という数値で表すことがあります。

ガルとは地震の大きさを表す単位の一つで、耐震性の話をする際には「地震によって建物が受けるであろう負担を数値化したもの」という意味合いで使われます。

近年起きた大地震の大きさを、震度・マグニチュード・ガルの数値でみてみましょう。

事例マグニチュード
阪神・淡路大震災(1995年)最大震度7/マグニチュード7.3/818ガル
東日本大震災(2011年)最大震度7/マグニチュード9.0/2,933ガル
熊本地震(2016年)最大震度7/マグニチュード7.3/1,791ガル

揺れの強弱を表す震度は現在「震度0〜7」までしかなく、たとえマグニチュードやガルの数値が高くても「震度7」としか言えません。

耐震等級も同じで、いくら耐震性能が高くても「耐震等級3」までしかありません。

そこでハウスメーカーが他社と差別化するために、地震に強い家づくりを語るうえで「ガル」を用いて表現し始めたのです。

買い手側としても、耐震等級以外で耐震性を見極める際に役立ちますので、ガルの数値で比較するのもよいでしょう。

家を建てた後でも耐震性は強化できる?

構造の耐震性を高めたり、制震装置を設置したりするのは、家を建てたあとでもリフォームで可能です。

一方、免震装置を設置できるのは「新築時のみ」なので、免震住宅にするか迷っている場合は、慎重に検討しましょう。

「耐震等級3」と「耐震等級3相当」はどう違うの?

耐震等級の表示で、「耐震等級3相当」と書かれている場合があります。

耐震等級3相当とは、耐震等級3に相当する性能はあるけれど、住宅性能評価機関(耐震等級を認定する専門機関)へ申請しておらず、認定を受けていないことを意味します。

つまり、専門機関による正式な評価や証明書がないので、実際の耐震性能は住宅会社にしかわからないのです。

また耐震等級3相当の住宅は、地震保険の割引や税金の優遇などは受けられないので注意が必要です。

まとめ

今回は地震に強い家づくりやおすすめのハウスメーカーを解説しました。

建築基準法に従って建てられた家なら、震度6〜7クラスの大地震が起きても倒壊する恐れは少ないといえます。

ただし耐震等級1の住宅は、倒壊しないだけで建て直しが必要なほど損傷を受ける可能性が高く、繰り返し地震には耐えられないかもしれません。

より耐震性を高めて安心して暮らすためには、耐震等級1より2、2より3の住宅を選ぶのがよいでしょう。

一方で、制震住宅や免震住宅となると建築費用は高くなるため、予算とのバランスも大切です。

ローコスト住宅でも耐震等級3のハウスメーカーもあるので、複数のハウスメーカーや工務店をじっくりと比較検討することをおすすめします。

※参考:予算ごとのカタログ特集ページ
ローコスト住宅(1000万円台)
2000~2500万円の住宅
2500~3000万円の住宅
3000~3500万円の住宅
3500~4000万円の住宅
4000万円以上の住宅

目次
閉じる