フリーランスの直接契約とは?間接契約との違いも解説

フリーランスの直接契約とは?間接契約との違いも解説

「直接契約とは一体どういうもの?間接契約とどう違うの?」

「直接契約はよいものなの?」

フリーランスとして仕事を受注する方法には、クラウドソーシングなどを介さない「企業と直接契約して仕事を受注する方法」があります

仕事をして働いていくうちに、直接契約という言葉を聞きはじめたフリーランスの方もいるでしょう。

また、なかにはフリーランスから直接契約を打診されたクライアントもいるかもしれません。

直接契約をまだしていないフリーランスの場合、直接契約がどのようなものなのか疑問に思う方もいるはずです。

この記事では、このような疑問を抱えている方向けに、直接契約について、さらには直接契約の注意点についても説明しています。

企業との直接契約はメリットもありますが、トラブルの原因にも繋がるので、注意していきましょう。

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フリーランスとして働くなら知っておきたい「直接契約」について

フリーランスとして働いていると「直接契約」という言葉をよく聞くようになります。

ここでは、直接契約について以下5つの観点から解説します。

  1. そもそも直接契約とは?
  2. 直接契約と間接契約の違いは?
  3. フリーランスの契約形態には種類がある
  4. フリーランスエージェントを利用した場合は直接契約?
  5. フリーランスエージェント引き抜きはタブーなので注意

そもそも直接契約とは?

直接契約とは「フリーランスとクライアントが、クラウドソーシングなどのシステムを介さずに直接契約すること」を指します。

クラウドソーシングなどを使用すると、手数料がひかれるため手取り額が下がり、思うように稼げない方も多いです。

しかし、直接契約をすると仲介がなくなるので、報酬をそのまま受け取ることができます

そのため、フリーランスはクライアントと直接契約をした方が稼げますし、積極的に契約をする方がよいでしょう。

直接契約と間接契約の違いは?

直接契約は「クライアントと直接、契約を交わすこと」です。

一方間接契約とは「クラウドソーシングやフリーランスエージェントなどを仲介し、クライアントと契約を交わすこと」を指します。

間に第三者が仲介することで、詐欺にあう確率を下げるメリットが間接契約にはあります。

しかし、マージンや仲介手数料がとられるデメリットもあるため、どっちがよいのか見極める必要があるでしょう。

フリーランスの契約形態には種類がある

フリーランスとクライアントが結ぶ契約形態には、以下の3種類があります。

  • 委任契約
  • 準委任契約
  • 請負契約

委任契約、準委任契約はどちらもクライアントの企業などに常駐する働き方です。

一方請負契約は、成果物を納品さえすればよい契約なので、在宅勤務を望んでいるフリーランスにはぴったりの働き方でしょう。

これらの契約形態において、直接契約と間接契約の2種類が存在すると考えると分かりやすいかもしれません。

フリーランスエージェントを利用した場合は直接契約?

フリーランスの間接契約には、クラウドソーシングを使用して自分で営業をする受注方法か、フリーランスエージェントを活用して仕事を獲得する方法の2種類があります。

フリーランスエージェントの場合は、エージェントが間にはいり仕事を紹介してくれるため直接契約ではなく間接契約となります。

そのため、仲介手数料がとられるので、思ったよりも稼げない状態に陥るフリーランスも少なくありません。

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フリーランスエージェント引き抜きはタブーなので注意

フリーランスエージェントを活用していると、実際に成果物を納品している会社から引き抜きの打診がくることがあります。

この場合は直接契約となり、お互いに手数料もかからず有益だと考えがちですが、フリーランスエージェントを利用しているのに引き抜きに合うのは、タブーです。

エージェントを利用している場合、契約を交わしているのはクライアントではなくエージェント会社であることを忘れてはいけません。

場合によっては違法行為にあたるので、自分を守るためにも気を付けておきましょう。

直接契約のメリットとは

直接契約には以下3つのメリットがあります。

  1. 手数料がひかれなくなる
  2. 自ら単価について交渉できる
  3. 仕事の幅が広がる

手数料がひかれなくなる

直接契約をすると、手数料がひかれなくなります

クラウドソーシングでは必ずシステム料が引かれるため、稼いだ報酬よりも手取り額が下がるデメリットがあります。

たとえばユーザー数の多いクラウドワークスの場合、以下のとおりに手数料がかかるシステムです。

  • 10万円未満→20%
  • 10万円以上20万円未満→10%
  • 20万円以上→5%

5万円稼げたとしても、20%分が引かれることで手取り額は4万円に下がります。

手数料が引かれなくなるだけでも収入が変わるため、直接契約はクライアント側にもフリーランス側にもメリットがあると言えるでしょう。

自ら単価について交渉できる

直接契約の場合、単価交渉を自分ですることができます。

エージェントを利用していると単価や仕事の内容も、エージェントとクライアント側で話がついてしまいますが、その場合は望みどおりになる可能性が低いです。

しかし、直接契約ならそういった交渉も自分でおこなうことができるため、フリーランス側に有利に働くこともできます。

仕事の幅が広がる

直接契約をすると、クライアントとフリーランス側だけの契約となるため、さまざまな仕事をふってもらいやすくなります

関連した仕事や、企業側で管理している子会社の仕事など、クライアントとの関わりがより強くなるでしょう。

そうすることでクライアントとの信頼も高まり、高単価の仕事を得やすくなります

直接契約のデメリット

直接契約にはデメリットもあります。

具体的には以下の2つが挙げられるでしょう。

  1. 受注までつながらない
  2. 営業がうまくできない

受注までつながらない

直接契約は、自分で営業をかける必要があるため、営業が苦手な方は受注まで繋がらない可能性も出てきます

しかし、間接契約をした上で納品を繰り返し、信頼の上で直接契約になることもあります。

営業をしても受注まで繋がらない方は、間接契約から直接契約を目指すなど、やり方を変える方法も考えましょう

営業がうまくできない

営業がうまくできない方も多いです。

直接契約は、会社やメディアに直接連絡し、自分を売り込む方法もあります。

その方法の場合、自己アピールや営業が上手にできないと、クライアントの目に留まりにくいです。

直接営業をかけて契約をとる場合は、ポートフォリオを作成したり、簡潔で分かりやすい自己アピール文を考えたりなど、営業の方法を考えましょう。

間接契約のメリット

間接契約にも、以下2つのメリットがあります。

  1. 詐欺や法律違反が少ない
  2. 齟齬が生じないよう調整してくれる

詐欺や法律違反が少ない

間接契約は、間に仲介が入ることで詐欺に合いにくいメリットがあります。

直接契約の場合は自分自身とクライアントだけの関係なので、もしもだまされた場合に補償金額などをもらうことはできません。

一方間接契約は、第三者がいるため詐欺をおこしにくく、たとえ詐欺にあった場合でも補償してもらえる可能性が高いです。

安全面を考えるなら、間接契約の方が安心するでしょう。

齟齬が生じないよう調整してくれる

エージェントなどを利用する場合は、クライアントとの契約内容について齟齬が生じないよう、第三者が調整してくれるメリットがあります。

契約内容や報酬額など、自分一人で確認するには難しいと感じる場合でも、間に人が入ってくれることで双方ともに納得のできる契約内容にすることができます。

このことからも、間接契約は安心できることがメリットと言えるでしょう。

間接契約のデメリット

間接契約は安心できるというメリットがありますが、一方で以下2つのデメリットがあります。

  1. 仲介手数料がかかる
  2. 契約を結ぶのに時間がかかる

仲介手数料がかかる

間接契約は仲介手数料がかかるところがデメリットです。

クラウドソーシングやエージェントは、間に入ってもらうため補償や詐欺にあいにくい安全面がある一方、報酬金額をそのまま受け取ることができません。

それぞれの媒体によって、システム手数料や振込金額に関する手数料の金額も異なるため、稼いだはずなのに手取り額が低い場合もあります

間接契約は安心できる一方で稼ぎにくい面もあるため、フリーランスは直接契約を目指した方がよいでしょう。

契約を結ぶのに時間がかかる

エージェントなどを活用する場合、契約を結べるようになるまで時間がかかることがあります。

仕事を紹介してもらい、面談や話し合いの末に契約となるからです。

間接契約は、間に入る第三者が連絡係となる場合もあるため「自分たちで話した方が早いのに…」と感じることも多いでしょう。

契約までに時間がかかり、仕事の流れが遅いところが間接契約のデメリットです。

直接契約が向いている人はどんな人?

直接契約が向いている人は、以下のような人です。

  • 交渉、営業が得意
  • 契約時の連絡や事務管理ができる
  • ビジネスメールができる
  • 手数料がもったいないと感じている
  • もっと仕事の幅を広げたいと思っている

直接契約は、クライアントと連絡するのは自分のみです。

言葉遣いや報連相がしっかりしており、ビジネス関係を築ける人は直接契約が向いています

また、手数料がもったいないと感じている方も、直接契約にした方が手取り額が増えるため、直接契約の打診を考えたほうがよいでしょう。

こんな人は直接契約に向いていない!

一方直接契約が向いてない人は、以下のような人です。

  • フリーランスになりたてて仕事の流れもよく理解していない
  • 営業や交渉が苦手
  • 事務連絡が苦手

フリーランスになりたての人が、いきなり直接契約するのは難しいかもしれません。

まずはクラウドソーシングなどを利用してから信頼を築き上げ、そこから直接契約を目指した方がよいでしょう。

直接契約はどうやって結ぶ?

直接契約を結ぶためには、主に以下4つのような方法があります。

  1. 企業に聞いてみる
  2. 知人に紹介してもらう
  3. クライアントと信頼を築き上げる
  4. SNSを利用する

企業に聞いてみる

企業に直接打診して、直接契約を結ぶ方法があります。

そのためには、以下のようにおこないましょう。

  1. 自分のスキルが活かせる企業を探す
  2. 連絡をとってみる。このとき、ポートフォリオも添付する。
  3. 前向きな返事が来たら契約内容について打合せをする。
  4. 契約書類を作成する。

連絡を取る際は、ビジネスメールと同じように丁寧に連絡をします。

実力を見てもらうためにも、ポートフォリオは事前に準備しておくことが大切です。

知人に紹介してもらう

人脈を活かし、知人に紹介してもらう方法もあります。

知人の紹介してもらった仕事であれば、仕事の雰囲気やクライアントがどのような人なのかもわかるため、安心して契約をむすぶことができるでしょう。

しかし、この方法はフリーランス仲間などがいないと難しく、人脈がない場合は難しいかもしれません。

クライアントと信頼を築き上げる

間接契約をしていたクライアントとの信頼を築き上げ、直接契約を結びなおす方法もあります。

この場合は実績だけではなく、クライアントとよい関係を築く必要があるでしょう。

間接契約から直接契約は一番打診がしやすく、信頼されているからこそできることです。

日頃の報連相や納期を守る真摯な態度で、仕事をするように心がけましょう。

SNSを利用する

SNSを利用して、直接契約を打診することも可能です。

Twitterではフリーランスの仕事を募集している企業も多く、直接契約の打診がしやすいです。

SNSを通じて人脈を広げることも可能ですし、その繋がりからほかの仕事を獲得しやすくもなります。

交流は将来的に見てもクライアントを確保していくのに大切なので、SNSで人脈を広げることを目的とし仕事を見つけるのもよいでしょう。

直接契約をするときは業務委託契約書を作成しよう

直接契約をするときは、業務委託契約書を必ず作成するようにしましょう。

たとえ信頼しているクライアントだとしても、契約内容に齟齬が生じているとトラブルに発展することもあります。

業務委託契約書には、以下のような内容を記載します。

①契約形態について

契約形態について明記しましょう。

業務委託には、準委任契約と請負契約の2つの形態があり、どちらの形態で契約を結ぶのかを確定させます。

フリーランスエンジニアやライター、イラストレーターなどは請負契約の形になることが多いです。

②依頼内容の明記

業務内容や、範囲について明記しましょう。

クライアントとフリーランス側で齟齬が生じ、納品物が期待どおりではないといった最悪な状態を避けるためにも、依頼内容ははっきりと書く必要があります。

また、想定範囲外の業務が発生する場合もあります。

その場合に備えるためにも「そのほか、別途合意した業務内容」についても明記するようにしましょう。

③契約期間

委任契約の場合は、契約期間を設けましょう

自動更新にすると契約書を一新させる必要もないので、楽です。

④納品物の権利

納品物の権利を、フリーランスが側から譲渡できるよう、契約書に明記しましょう。

とくにイラストや写真などの著作物の場合、権利について双方が合意していないと、トラブルの原因の元となります。

あらかじめ著作権の譲渡をしてもらうよう、契約の段階で明確にすることが大切です。

⑤報酬の合意

報酬の算出方法、支払い方法、支払い日について明記しましょう。

手数料の有無や1字何円なのか、ひとつの納品物にたいしていくらなのかなど、細かくかくことでトラブルを防ぐことができます

⑥報酬の受け取りはいつか

報酬の支払い日については、必ず明記するようにしましょう。

いつ支払われるのか不安に思わせることになるため、ルールを決めることは大切です。

受注する側のフリーランスはできる限り早めに支払って欲しいと考えているため、月末締め、翌月末支払いがもっとも多い支払い日となっています。

⑦諸経費の条件

諸経費の条件を決めておきましょう

とくに委任契約の場合は、交通費の上限などを決めておくとよいでしょう。

⑧責任者の所在

責任者の所在を決めておきましょう。

万が一裁判などに発展した場合、責任は誰がもつのかを明記しておかないと、トラブルが起きたときに責任者が不在で解決できなくなります

また、成果物に問題が生じた場合も責任者が決まっていないと対処ができません。

トラブルが起きないことが最も大切ではありますが、起きた場合のことも考えておきましょう。

⑨法令に抵触していないか

たとえば、企業側からフリーランスに不当な報酬を与えていないか、立場の差から強要させていないかなど、確認する必要があります。

フリーランスとクライアントの企業とでは、立場に大きな差があります

その立場を利用されないよう、契約書でしっかりと調整をおこなってください。

⑩禁止事項

禁止事項について明記しておきましょう。

たとえば他の同業他社の仕事を引き受けてはならないなど、あらかじめ契約書に書いておくことで、フリーランスの自由な行動を事前に防ぐこともできます。

業務委託契約書がないとトラブルになることも

業務委託契約書がないと、トラブルの原因となります。

通常、企業同士で直接取引をおこなう場合は契約書を立てて仕事をおこないますが、企業と個人の間ではそういった契約書を立てずに仕事をする場合も多いです。

しかし、コンプライアンスやハラスメントなどが注視されている現在、契約書がない状態での契約は、お互いに不利になる可能性があります

契約書が活躍する場面は少ないとは思いますが、「もしものとき」のために、保険として用意することが大切です。

まとめ|実績を積み信頼を獲得すれば直接契約がおすすめ!

直接契約は、フリーランス側とクライアント側の双方にメリットがあります。

純粋な報酬から手数料が引かれないので、お互いに納得のいく報酬でやりとりができるからです。

しかし、直接契約をする場合は、必ず業務委託契約書を作成するように心がけましょう

信頼を築き上げて直接契約になった場合でも、契約書があるだけでお互いに保険となります。

また直接契約を結ぶためには、間接契約から地道に信頼を獲得してから直接契約を結ぶ方法がおすすめです。

クライアントからの信頼を獲得するためには、日頃の仕事の対応や報連相などを真面目におこないましょう。

お互いに齟齬が生じないよう、気持ちよく働ける方法を模索してください。